オーダーメイドの家具をつくる工房から小さなスツールが柳川ブランド認定品に仲間入りしました。必要な時にササッと取り出せて、使わない時はインテリアにもなるお洒落なスツールです。制作現場の工房「Hitokei woodworks」をお訪ねしました。

柳川に工房&ショールームをオープンした松藤さん。無垢材を使って家具を制作しています
飛騨高山で腕を磨き、柳川で家具工房をオープン
「Hitokei woodworks」の松藤宏幸さんは飛騨高山で無垢材を使った家具づくりの職人として腕を磨き、2019年に両親の故郷である柳川にIターンして工房をオープン。無垢の木の特性と個性を生かしたものづくりを続けています。

工房隣にあるショールーム。見学可能です

小さな看板があります
ショールームには、ダイニングテーブルや机、椅子、ソファなどの木製品が並びます。展示している作品をもとにしたセミオーダーが中心ですが、フルオーダーも受注制作しています。
好きな木材や木目、デザインをもとに「テーブルの丸い脚をもっと太くしたい」「サイズを変更したい」などの要望にも応えてもらえます。

ショールーム内にダイニングテーブル、椅子、ソファ、小物などが展示されています
無垢材を使って一つひとつ丁寧に手作り
製品にはオークやウォールナット、チェリーなどの無垢材を使い、デザインはいたってシンプル。シャープな中に優しい雰囲気が漂うのは、木の温かみに加えて脚などのパーツにやや丸みがあるからでしょう。

デザインから制作まで一人で行い、すべて手づくりです
飽きのこないデザインには、「森の木が育つ時間と同じくらい、永く愛着を持って使い継いでいただきたい」という願いが込められています。
また、美しさを求めつつ強度をもたせる工夫をし、美と機能性を併せ持つのも特徴です。

展示品を参考にサイズ変更などのオーダーにも応えてくれます
“森に住む妖精”をイメージしたスツール
松藤さんは「見た目が軽くて使い心地がよく、単体でもさまになるスツール」を作りたいと思っていたそうで、ダイニングチェアのように使えるかなと思って「elfinスツール」を作ったのだとか。
スツールは単体で使えて汎用性が高く、ダイニングに置いても玄関に置いてもよく、背もたれがないために空間が広く見える良さがあります。実際に自宅でも「elfinスツール」をダイニングチェアにしているそうです。

軽くて使いやすく、置いていてもサマになる「elfinスツール」
また、この「elfinスツール」は、森に住む妖精をイメージして作ったそうで、そのイメージ通りに繊細で軽やかな印象を与えます。細い脚の見えない部分には補強をして強度を上げ、壊れにくくもなっています。座面のカラフルな布にもこだわっており、デンマークメーカーのウール生地を使っているそうです。

座り心地もよい「elfinスツール」。座面の布地は変更可能です
「何かいいね」の秘密は細部へのこだわり
松藤さんは、テーブルの天板など木目を揃えたり、椅子の背もたれの角度をほんの1度変えたり、テーブルの天板下のパーツのカーブを微妙に変えたりと、小さなこだわりを持って作っています。

座り心地、使い心地を試しながら購入、オーダーできます
「その1度の違いに意味があるのかな」と思うそうですが、作ってみると、「やはりその1度が重要」なことだとわかると言います。
見えないところにもこだわり、きれいに仕上げています。一般の方は、それが美しさや雰囲気の良さにつながっていると気づかないかもしれません。ですが、「この製品、なんかいいね」と感じ取ってもらえたら嬉しいと、松藤さんは話します。

「Hitokei woodworks」の松藤さん。柔和な笑顔そのままに家具もやさしい風合い
材料選びから加工、販売まですべて行っている「Hitokei woodworks」。この「elfinスツール」が柳川のものづくりに興味を持ってもらうきっかけになれたら…という松藤さん。工房に併設のショールームで販売し、今後は展示会や物産展などにも出かけていく予定です。
■DATA
◯商品名:elfinスツール
◯価格:47,300円~(W450×D360×H440・税込)
◯取扱店:Hitokei woodworks(ヒトケイ ウッドワークス)(地図)
※工房併設のショールームは見学可能です。
◯お問合せ:Hitokei woodworks TEL090-6919-9626 ホームページ
◯工房概要:広葉樹を中心に無垢の木を用い、伝統的な技法と手作業、現代の技術を融合しながら家具・木工品を制作している。