■中島祇園まつり
夏休みに入り、鉦太鼓の音色が聞こえ始めました。
こんにちは。特派員のツツミです。
夏祭りのニュースを見聞きしますが、
柳川の夏まつりといえば、中島の祇園まつりです。
名古屋出身の知人から
「祇園まつりは西日本地区だけ。自分の地域にはない」と
聞きましたが、そうなんでしょうか?
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中島の祇園まつり
福岡県内では、福岡市の博多山笠を筆頭に
北九州市の小倉祇園太鼓、戸畑祇園大山笠など
あちらこちらで祇園まつりが行われます。
さて、旧大和町中島校区の祇園まつりは
地元で「祇園さん」「祇園神社」と
呼ばれる八剱神社の奉納行事で、
昔は旧暦の6月15日に行われていました。
今は7月の第4土曜に変更され、
今年は7月28日(土)に行われます。
中島の祇園まつりの特徴は
東上町(ひがしかんまち)、西上町(にしかんまち)、
中町(なかまち)、下町(しもまち)の4つの町内会が
それぞれ、大蛇山、踊り山、殿様(とんさん)行列、
獅子山をもって町内を巡行するところ。
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祇園まつりの象徴といえる大蛇山
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踊り山。昼間は子どもが、夜は大人が踊ります
花火を使って火の粉を振りまく大蛇山を中心に
鉦太鼓の威勢の良い音が鳴り響きます。
男衆が何人も乗ったヤマを
人力で曳くのはなかなか大変。
当然、力も入ります。
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頭を揺らして花火を上げる大蛇
昔は道幅が狭く、また屋根も低かったために
ぶつかるのではないかとハラハラドキドキ。
曳き手も観客もお神酒などお酒が入っているため
ヤマが鉢合わせになると道を譲る、譲らないと
言い合いになることもしばしば。
まつりがお開きになると大蛇山が崩されるのですが、
その際に縁起物の「目玉」を激しく取り合うこともあり、
「ケンカまつり」と呼ばれたものです。
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今はなき旧北地区の大蛇の制作風景。目玉には家庭のお札が貼られていました
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旧北地区の大蛇山。今はなくなり、やや残念
事故により一時中止に追い込まれた時期がありましたが、
海での船の事故が重なったこともあり
「やはり神事を失くしたらいかん」と復活。
昔ほどの激しさはないものの
地元住民の心が熱くなるのは今も変わりません。
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汗を流して練習する子どもたち
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リズムは独特。立花藩の出陣太鼓といわれます
当日、4つの町内会を中心に朝から神事が行われます。
祇園神社の前には大蛇山が
大きな口を空けて出番を待っています。
乳幼児はその大きな口に向かって抱え上げられます。
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元気な子に育ってほしいと、大きな口に子どもの頭をかませてもらいます
「怖い!」と言ってギャーギャー泣き叫ぶ子どもたち。
それを平然と笑って見ている大人たち。
これは、地元の子どもは誰もが通る道‥。
無病息災を願って「大蛇にかませてもらう」のです。
皆さんも、子どもさんを連れてお出かけくださいね。
日が暮れだすと、いよいよ本番。
3つの山が祇園神社に向かって巡行を始め、
「下に~下に~」の声も高らかな殿様行列も。
大人も子どもも気持ちがたかぶるまつりは
深夜まで続きます。
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誰の鉦太鼓がかっこいいか。男衆の腕の見せどころです
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深夜を過ぎると山は崩され、静かな日常へと戻っていきます
なお、商店街にある
交流館「なかしまワッセ!」では
昔の祇園まつりの写真展や夜市、
「ギオン酒場」が開催されます。
どうぞお立ち寄りください。
■中島祇園まつり
日時;2018年7月28日(土)8:30~深夜
場所;福岡県柳川市大和町中島
(西鉄中島駅からすぐ)
○交流館「なかしまワッセ!」
(柳川市大和町中島722-2)
・「ギオン写真展」
7/17(火)~28(土)9:00~17:00
・「ギオン酒場」
7/25(水)~28(土)18:00~21:00
・「子ども大蛇の披露」
7/28(土)8:30~11:00
・「ギオン夜市」
7/28(土)15:00~22:00
※紹介している写真は数年前の写真もあり、
今年と異なる場合があります。