こんにちは。特派員のツツミです。
夏~秋の暑さ厳しい時、
食欲の落ちた時に
好まれる食べものがあります。
それは、クラゲ!
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有明海で獲れるアカクラゲ(傘の部分)
ヌルヌルして、刺すと痛いクラゲ。
とても食べられるように見えませんが、
有明海では食用とされてきました。
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アカクラゲ(足の部分)
カンカン照りの真夏になると、
親類たちがうかがうように
実家に電話をかけてきます。
「もう、クラゲは漬けたか?」
皆、待っているんですね。
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樽に漬けたクラゲ
昔は、海苔漁が始まる前の生活の糧として
また家での食用に
漁師が海に獲りに行っていました。
クラゲ漁では子どもたちも大活躍。
船の先端に乗ってクラゲを見つけ
「いた!」「あそこ!」と言って大声を上げると、
親が舵を切って船を飛ばし、
キュッと止まって網でクラゲをすくい上げます。
クラゲはあっという間に海に潜ってしまうため
どちらが早いか競走です。
クラゲ漁は船のエンジンを傷めるし、
すくい上げるクラゲは重くて腰を痛めやすく
あまり好まれたものではありませんでした。
が、今ではクラゲは高級食材とされるようで
夏の大きな漁へと変化。
玉網で1匹ずつすくっていたスタイルから
刺し網のような網漁に変わってきたようです。
水揚げされたクラゲは
仲買や魚市場のセリを通して流通していきます。
近年、有明海で獲れるクラゲは
アカクラゲと呼ばれる赤いクラゲ。
ネットで見ると、ビゼンクラゲと呼ぶようです。
以前は白いシロクラゲも見ましたが、
最近は少ないようです。
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身が赤いアカクラゲ
では、そのヌルヌルとしたクラゲを
どのようにして食べるのでしょう?
丸い傘の部分と、足の部分を切り離し、
小さく切ってヌルヌルが取れるまで
よく水洗いします。
子どもの頃はよく手伝わされました。
T字の竿のようなものを使い、
水をかけながらもみ洗いするんです。
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水をかけながら竿を使ってもみ洗い
笑っちゃうでしょうが、
二層式の洗濯機を使ったり、
いろいろと工夫して洗いましたね。
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腰も腕も痛くなり、洗濯機で代用してみたり‥
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ヌルヌルが取れるまでよく洗う
洗った後、クラゲに
粗塩とミョウバンを振りかけ
もむようによく混ぜます。
この粗塩とミョウバンの配合は
今は亡き祖父直伝の配合です。
何が違うのか、わかりませんが、
祖父直伝の漬け方は
なかなか評判がいいんですよ。
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粗塩とミョウバンを混ぜ合わせ
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クラゲに振りかけて混ぜる
混ぜ合わせたら樽に漬けて1~2日間そのまま。
水分が出てグッと小さくなります。
その後、樽から出して水洗いし、細かく切って器へ。
冷蔵庫で冷やしておき、
醤油、酢醤油、マヨネーズなど
好みの調味料をかけて食します。
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冷たく冷やして召し上がれ!
コリコリした食感と
ツルっとした喉越しが最高!
ビールのつまみに、ご飯のおかずに、
夏の食卓を彩る逸品です。
クラゲの90%以上は水分とされ、
コラーゲンもあるとか?
低カロリーなのもおススメです。
下処理したクラゲは
スーパーで手に入りますから
一度食べてみてくださいね。
しかし、ミョウバンを使うとは‥。
化学的な処理法もビックリですが、
あれを食べようと思うのもスゴイ‥。
食の歴史としては謎ですね。