こんにちは。特派員のツツミです。
連日、子どもの虐待や親子の痛ましい事件が聞かれます。
どうにもならなくなる前に、どこかに相談できなかったのだろうか、
と思いますが、そんな思いに至らないほど大変だったのかもしれません。
今年(2022年)4月、ここ柳川には、柳川市地域子育て支援拠点「このゆびとまれ」ができました。
先日、見学させてもらったので紹介します。
(やや長文ですが、おつきあいください)
柳川市地域子育て支援拠点「このゆびとまれ」は、主に0歳~3歳のお子さんを子育て中の親(親代わり)同士の出会いと交流の場として、また、子どもたちが自由に遊び、かかわりあう場として生まれました。
子育て支援拠点は、もともとは今から17年前、保育園・幼稚園に行く前の子どものいる有志が子育て広場を始めたことに由来します。
現在、この「このゆびとまれ」で子育て支援コーディネーターとして活躍する森郁子さんは、当時、子育て先進地だった「0123吉祥寺」や「川崎子ども夢パーク」の視察に参加し、「乳幼児の子育ての現状は都会も田舎も同じ。誰もが同じ悩みを持っている」と感じたといいます。
視察で「家庭保育支援の大切さ」を学んだ森さんは、その学びを地域に還元しようと仲間に声をかけ、手持ちのおもちゃと布団を持って、月に1回、市内の公民館などに出かけ、子どもと親が集う場所を設けていました。
有志たちは皆、自分の子どもを抱えながらマイカーで回っていたそうで、当時は大変だと思うことはなく、費用のことも考えず、「子育て拠点を作りたい」という思いだけで手弁当で活動していたそうです。
その後、市からの補助があり、月に1回から週に1回の活動へと変化。さらに柳城児童館を会場に「つどいの広場 このゆびとまれ」の活動へと広がりました。
日吉神社に隣接した柳城児童館は緑も土も水もあり、自然豊か。子どもたちにとっては絶好の場所でしたが、開館して54年経っており、老朽化もあって、今年(2022年)3月に閉館。
代わりに、子育て支援拠点「このゆびとまれ」が柳川市の施設として新しくオープンしました。
孤独な子育ての仲間が集まって子育てサークル活動を始め、「誰でも気軽に集まれる子育て支援の場所づくり」の活動を始めた森さんたち有志にとって、念願の常設の拠点の誕生です。森さんたち有志も、子育て支援コーディネーターなどのスタッフとして常駐しています。
「このゆびとまれ」には、畳敷きの赤ちゃんコーナーのほか、持参の弁当などを食べることのできるランチルーム、砂遊びができるデッキ、子どもトイレや授乳室があります。
また、子育ての悩みや子どもの発育発達などを助産師に相談できる「助産師相談」や、オンラインでおしゃべりできる「こえだけとまれ」「トークタイム しんぐる子育て」など、さまざまなセミナーやイベントが実施されています。これらは利用者の声を聞いて生まれたもので、どれも人気です。
見学した日は、寺田助産師による「プレママ・プレパパセミナー」が行われていました。幼児を連れたお父さんお母さん、出産を控えた女性などが参加していて、寺田先生は、子どもがどうやって生まれてくるかといった、リアルでデリケートな話や産後ケアの話をユーモアをまじえてわかりやすく話しておられました。お父さんにも参加してほしいセミナーです。
プレイルームでは、幼児を連れたお父さんお母さんがほかのお母さんたちと子育ての話をしていて、「うちもそうでしたよ」という年長の子どもを持つお母さんの話を聞き、お父さんお母さんの安心した様子が印象的でした。
「このゆびとまれ」は月~土曜の日中、無料で利用できます。これまでさまざまな相談に乗ってきたスタッフが子育てに不安のある方の相談に乗っていますし、支援が必要な場合は関係機関につないでくれます。
森さんは自らを「ボンドガール」と言って笑います。えっ007!?と思ったら、「子育て家庭と子育てサービスをくっつけてつないできたから」だそうです。こんなお世話好きで明るいスタッフの皆さんですが、誰にでも声をかけるというわけでなく、じっと見守ってくれている感じです。それもいいですよね。子育ては一人で悩まず、訪れてみてくださいね。
■柳川市地域子育て支援拠点施設「このゆびとまれ」
○住所 柳川市上宮永町22-7 有明地域観光物産公園内
○対象 おおむね0~3歳までの子どもとその家族(妊婦さんもどうぞ)
○開館 月曜~土曜 10:00~16:00
○利用料 無料
○電話 0944-72-7706
※セミナー・イベントについては、ホームページをご参照ください。→こちら
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