2026年8月13日から22日まで、奇怪夜行2026の開催にあわせ、柳川の街と連携した企画として、柳川の夏の夜を巡るイベント「妖しい夜巡り」が開催されました。
舞台となったのは、沖端商店街や三柱神社、掘割など、柳川のまちなか。柳川藩主立花邸 御花で開催される「奇怪夜行」の世界観がまちへと広がり、提灯を片手に、柳川の夜を歩いて楽しむ10日間です。
柳川といえば、川下りやうなぎ。
明るい時間の風景を思い浮かべることが多いけれど、夏の夜の柳川は、昼とは少し違って見えます。
水面に映る灯り、夜の川下り、静かな神社、暗がりに潜むかもしれない妖怪たち。
今回は少し涼しくなった夕暮れから、三柱神社を出発して、夏の夜の柳川を巡ってみました。

日が暮れるころ、三柱神社へ
まだ空に少し明るさが残るころ、三柱神社へ。
まずはお参りをして、御朱印をいただきます。
これから始まる夜巡りを前に、少しだけ気持ちを整えてから境内へ。


境内を歩いていると、木々のあいだに、ぽつりぽつりと提灯が現れます。
日が沈むにつれて、一つひとつの灯りがだんだんと際立ち、木々に囲まれた境内も、昼間とは違った表情に。
夏の夕方の空気の中で、しばらく提灯を眺めたら、今度は水辺へ向かいます。
舟に乗って、夜の柳川へ
次は、夜の川下り。
昼間の川下りは柳川を代表する風景ですが、日が暮れてから舟に乗ると、その印象は大きく変わります。


水面に映る家々の灯り。
橋の下をくぐるときの暗さ。
舟が水を切る音。
昼間は遠くまで見渡せていた堀割も、夜になると舟のまわりだけがぼんやりと浮かび上がります。
見慣れた柳川の風景が、少しだけ知らない場所になったようです。
ゆっくりと舟に揺られながら、沖端へ。
夏の御花に現れる、妖怪たち
舟を降りるころには、あたりもすっかり夜。
向かったのは、柳川藩主立花邸 御花で毎年夏に開催されている「奇怪夜行」です。
奇怪夜行をつくり出すのは、八女市で提灯をつくり続ける「伊藤権次郎商店」と、約300年の歴史を持ち、現在も柳川藩主立花家の末裔によって守り継がれている大名屋敷。
伊藤権次郎商店がこれまで手がけてきた提灯と、立花家に伝わる妖怪の絵巻物。
その二つから着想し、この展覧会のためにつくられた提灯や、未発表の作品などが御花の空間に展示されます。
暗くなった御花に浮かび上がる、さまざまな形の提灯。
歴史ある建物の中に、昔からそこにいたかのように妖怪たちが現れます。
伝統的な提灯の技術と、立花家に残されてきた物語。
それぞれ受け継がれてきたものが重なることで生まれる、少し不思議な夜の御花です。


妖怪たちが、まちへ
奇怪夜行を楽しんだあとも、今年の夜はまだ続きます。
御花の中にいた妖怪たちが、まちなかへ。
柳川市観光協会が開催する「妖しい夜巡り」は、奇怪夜行の世界観を沖端のまちへと広げ、提灯を片手に夜の柳川を巡るイベントです。

舞台となるのは、沖端の商店街や堀割、神社など、普段から私たちが歩いている場所。
ちょうどお盆の時期でもあったので、柳川のまちを、人間も、妖も、ご先祖さまも歩いている。

そんなことを想像すると、いつもの道や水辺も、どこか違って見えてきます。
地図を頼りに探すのもいいけれど、「この辺りに何かいそうだな」と暗がりを覗きながら歩くのも、この夜ならではの楽しみ方です。

提灯を持って、夜のまちへ

手には、小さな提灯をひとつ。
その灯りを頼りに、沖端の路地や掘割沿いを歩いていきます。
昼間なら何気なく通り過ぎている細い道や暗くなった堀割を
妖怪を探して歩いていると、普段なら気にも留めない場所が妙に気になってきます。
水辺を覗けば河童がいそうで、暗がりの先にも何かが潜んでいそう。
妖怪を探しているはずなのに、いつの間にか柳川のまちそのものを、いつもよりよく見ています。
寄り道も、夜巡りの楽しみ
歩いていると、夜のまちにはいい匂いも漂ってきます。

妖しい夜巡りの期間中は、キッチンカーも登場。
妖怪を探して歩いたあとに少し立ち止まって、食べたり、飲んだり。

そして、また提灯を持って歩き出します。
掘割には水辺に近づいて花火を楽しめる場所も。

目的地から目的地へ急ぐのではなく、気になる場所で立ち止まりながら夜のまちを巡る。
そんな少しゆっくりとした時間も、柳川の夜にはよく似合います。
夜だから見える、柳川の風景

三柱神社で提灯を眺め、舟に揺られて夜の掘割を進む。
沖端に着いたら、御花の奇怪夜行へ。
そして最後は、自分で提灯を持って、妖怪の潜むまちを歩く。
一晩巡ってみると、昼間とは違う柳川が見えてきます。
神社も、掘割も、御花も、沖端のまちも、ずっとそこにあるもの。
けれど、時間が変わり、灯りが変わり、歩き方が変わるだけで、いつもの風景にも知らなかった表情が現れます。
昼間の柳川を楽しんだあと、もう少しだけまちに残ってみる。
日が暮れたら、舟に乗ったり、提灯を片手に歩いたり。
そして、ときどき暗がりを覗いてみる。
夏の夜には、昼とは少し違う、妖しき柳川が待っています。

