柳川のお菓子といえば「こっさん」。
「越山餅」(こっさんもち)と書き、誰もが知る銘菓です。
その越山餅を作るのは「白雪堂越山」(はくせつどうこっさん)。
菓子名がそのまま店舗名になっています。

特徴的な文字と黄色いパッケージが目印
安政5年創業!約170年にわたって続く製法
白雪堂越山の創業は安政5(1858)年。
以来170年近く「越山餅」を作り続けてきました。

誰もが知る柳川の老舗。店舗奥が工場になっています
店を代表する商品「越山餅」は、白餡(しろあん)を求肥(ぎゅうひ)で包んだ和菓子。
古くから手土産や慶弔時の贈り物とされ、市民にとってはなじみの深い一品です。
包装紙にくっつかないように求肥の表面にでん粉がのっています。
指でなぞると表面はつるんとして、見た目は餅のようにも団子のようにもみえます。
餅の名前はついていても大福もちのような粘りはなく、かといって白玉団子とも違い、独特な食感。
薄い求肥と程よい甘さの白餡とのバランスがよく、上品な味わい。お茶席にぴったりな菓子といえましょう。

食べやすい小さめサイズ。包み紙がくっつかないようにでん粉がついています
原材料も製法もシンプル
越山餅の原材料は、手亡豆(インゲン豆)、砂糖、水飴、白玉粉、餅粉と、いたってシンプルです。
まず白玉粉と餅粉を水で溶いて蒸し、そこに砂糖と水飴を加えて求肥を作ります。
その求肥で先に作っていた白餡を包み、1個ずつ機械で切り分けていく、というように製法もシンプルです。

銅鍋を使い、使い込まれた釜で求肥や餡づくりを行う。取材時に製造は終わっていたが鍋はピカピカでした
もち肌のような見た目と食感は、白玉粉が入っているからでしょう。
また、保湿性のある水飴が入っていることで軟らかさが保たれ、求肥や白餡がカチカチになることがありません。
原材料や製法は昔から変わっておらず、白玉粉と餅粉の割合、砂糖と水飴の割合などは代々伝わってきたものです。
それらの割合が違うと求肥が硬くなるというように、仕上がりに違いが出るといいます。

緑茶はもちろん、コーヒーにもオススメ
白餡は自社製造でこだわりの味
しかし、今から20年ほど前、6代目を継いだ大林晃さんが変えたものがあります。それは白餡です。
大林さんは修業の一つとして長崎の老舗菓子店に勤め、そこで実家とは違うカステラや和菓子の製法を学んだといいます。
当時、柳川市内には餡づくりを専門とする店があり、多くの菓子店がその餡を仕入れていたのだとか。
帰郷して店を継いだ大林さんは店の個性を出そうと、白餡を自社製造することに。
長崎で培った知識と技術を生かし、手亡豆を煮て餡づくりに挑戦。
砂糖や水飴の配合を考えながら何度も試してつくった白餡が、今ではこの店ならではの味となっています。

修業で培った技術で白餡を自社製造
“郷土の味”を守りつくり続けていく
国内で手亡豆をつくる農家は減り、餅米や包装紙などは高騰。製造業には厳しい状況が続いています。
しかし、「変わらない味をつくり続けたい」と大林さんは話します。
それは「ああ、この味!」「懐かしい!」というお客様の声が活力になっているからです。
保存料、添加物を使わない越山餅は、素朴な味わいが持ち味。「何個でも食べられる!」と言った友人がいましたが、そんな柳川のファンは多いでしょう。
そんなファンの声に押されて、店舗奥では今日も早朝から製造が続いています。
※越山餅は保存料が入ってないため日持ちしません。
購入後はお早めにお召し上がりくださいね。

越山餅以外にも最中などの和菓子が並びます
【越山餅】
◯価格:1個170円(32g・税込)※2026年9月より価格変更予定
◯取扱店:店舗直売、柳川よかもん館、柳川御花
◯お問合せ:白雪堂越山(柳川市細工町64)TEL 0944-72-2082(火曜、第2・4水曜店休)
◯企業概要:安政5(1858)年創業、一家相伝の製法によって伝統の味を今に受け継ぎます。初代・治平は義太夫の師匠でもあり、「越太夫」と名乗っていたとか。周囲から「越さん」と呼ばれ、やがて越さんが作る餅、越山と呼ばれるようになり、それが屋号になったと伝わります。
※上記の情報は2026年7月現在のものです。
※参考サイト:「よかばんも~柳川」過去の記事→こちら(2024年1月更新)(認定品)




