認定品を探る旅

皿屋福柳

投稿日:2019年12月25日 更新日:

うなぎのセイロ蒸しをおむすびにして、海苔で巻いて食べる、「うなむす。」平成24年に柳川ブランドに認定された「うなむす」について、10代目の江口秀樹さんにお話を伺います。

こんにちは。
よろしくお願いします。
こんにちは。どうぞ〜。
それでは、さっそく。「うなむす」が誕生するきっかけを教えてください。
そうですねぇ。15年くらい前に、私が所属している沖端商店会の中の若手のグループで、「おきらんかい」を作りました。
福柳さんのお店周辺の商店会ですね。おきらんかい…ひらがなでいいんですか?
いやいや。「おき」は沖端の「沖」にですね、展覧会の「覧」に会。
沖覧会。起きらんかい。「起きなさい」という意味ですね!
沖覧会の例会…月に1回かな。その中で、「うなぎを手軽に食べられて…、海苔に巻いてできんかね〜」という話が出ました。「ほ〜そんなら1回作ってみようかね。」と作ってみたら、「おいしかやっかい!」ってのがはじまりです。
ははは! 「おいしかやっかい!」いいですね〜。商店会の例会から生まれた商品なのですね。(おいしかやっかい!…これはおいしい!)
えぇ。沖覧会のメンバーにうなぎ屋さんは、うちも入れて3軒あります。その内の2軒が作り、しばらくしてうちだけになりました。柳川のお祭りの産業祭(現在のよかもん祭り)で販売していましたよ。

最初は祭りからはじまったのですか?
そうそう、お店では売っていなくて、祭りのときだけ売りよったです。
お祭りでの評判は?
まぁ結構評判やったです。お祭り1日で300個かな。
そこでの評判が良かったから、お店でも売ることになったのですか?
そう。「あ〜よかねって」言って。でもすぐにたくさんは作っていないですね。セイロ蒸しに力を入れていたからね。うなむすは、ぼちぼち。
一番最初に開発されたときと、今の形というのは一緒ですか?
一緒ですね。でも…そう、うなむすには4種類の食べ時があるのをご存知ですか?

1つ目は、ちょろっとすぐ食べたい時。店の入口のセイロで蒸して販売しています。鰻をおにぎりに乗せて、サランラップで巻いて、蒸しています。食べる直前に海苔で巻く。

2つ目は、ランチでゆっくり食べたい時。これはおむすびをラップで巻いています。鰻は別のお皿に入っていて、自分でおにぎりに乗せて、タレをちょいとかけて、海苔を巻いて食べる。(うなむす昼膳 先着20食 平日のランチです)

3つ目は持ち帰り用で、購入後次の日以降に食べる時。冷凍です。冷凍は鰻が隠れるようにご飯を握って、真空パックをかけます。持って帰って食べたい日の前日に冷蔵庫から出して、冷蔵庫で1夜置いて、レンジでチンして食べるのが美味しいです。

4つ目は、購入した日の夜食べたい時。買った日の夜食べたいなというお客さんがいらっしゃったんですよ。冷凍だと夜食べられない。そこで、蒸す前のおにぎりを冷蔵しています。お客さんには、保冷シートにくるんで渡します。お客様の声からうまれた持ち帰り方法です。
食べたい時に合わせて形態が分けられているのですね。これなら自分の時間に合わせたうなむすを選んで、美味しく食べられる。
寒くなると、セイロで蒸すうなむすはお客さんの反応がよかですよ。
あったかそう。
そうそう、あったかい。
一番売れるのはどんなときですか?
水天宮のお祭り※のときは、行列ができるですよ。1日で400パックくらいかな。

※水天宮のお祭り
沖端で毎年3、4、5月に行われる、水難事故防止を祈るお祭りです。商店街はたくさんの出店で賑わいます

1パック2個だから…800個!
使われているうなぎは、商店会のメンバーのうなぎですか?
元メンバーから仕入れています。すぐそこにある。
海苔はどちらの?
商店会の会長の海苔屋さんから。
どういう海苔がいいかというのは…?
もうね、会長が「こういう海苔がいいやろう!」って言って選んでくれとるです。地元有明海産の海苔ですね。海苔を扱うプロだし、付き合いも長いので、信頼してお任せしています。
ふふ。お米は…?
柳川の米ですね。商店会のお米屋さんに任せとる。
地元の食材満載。商店会のメンバーだから信頼されているのですね。タレの秘密もお願いします!
うちは江戸時代中頃から商いを営んでいて、明治末期から旅館業をはじめました。その時からタレの作り方はずっと同じで続いてますね。
秘伝のタレ。
そうそう、テレビの取材で来られた、まいう〜でおなじみのパパイヤ鈴木さんからは、醤油が甘いね〜と言われたです。
関東に比べるとこっちの醤油は甘いですもんね。

最初はですね、海苔とうなぎは合わんかなぁ〜と思ったとですけどね。おいしか〜と言われるですね。
醤油とご飯が海苔とうなぎをうまく繋いでくれているのかもしれないですね。セイロ蒸しに使うご飯とうなむすに使うご飯はまた別ですか?
最初は変えて作ってましたけどね、今は同じです。セイロの方が固めで、おにぎりは柔らかかったですね。でも、作って行く中で一緒の硬さがよか。となりました。
セイロ蒸しをそのまま食べている感じですね〜。ぜいたくなおむすび。
いろいろ研究して、その硬さに。
うなむすを作る時に一番こだわっているのはどこですか?
握り具合の固さ。あんまり固く握りぎると美味しくないとですよ。柔らかすぎるとパラっとなってしまう。
おにぎりがパラパラすると食べにくいですもんね。
そのパラパラする直前の固さ。これが一番美味しいですたい。口の中に入ってからほぐれて広がる。
いいですね〜。ホロホロと口の中で広がる。海苔は…
焼き海苔ですね。パリっとした方が美味しいから、直前に巻いてもらう。
うんうん。海苔がパリッとしていて、中からあたたかくて香ばしいお米が…。お腹すいてきました。ブランド認定品になってから、何か変化はありますか?
ブランド認定品になったね〜と来られる方はいませんが(笑)、作る量は増えましたね。
ブランド認定品の効果有りカモ? これからの野望? 企んでいることを教えてください。
そうですね。九州新幹線の筑後船小屋駅近くにホークスファームの本拠地がくるでしょうが。その近くで販売しようと考えています。色んな方に手軽に食べて欲しいですね。
うなむす全国進出の第一歩ですね。昔から商いを営む場所で生まれた「うなむす」。商店会のメンバーにお任せなのは、信頼関係ができているからですね。人を知っているから、安心して任せられるのですね。

2個入り 515円(税込)※2014.11.28現在