ピリッとした辛さが絶妙〜なっ、タレのような味噌ですよ。
鶴味噌の相撲味噌。老舗の味噌屋さんが作る、新感覚の味噌の味。この謎を解き明かしましょ~う。
お話をお聞きする 熊丸さん です。
早速ですが、相撲味噌を作ろうと思ったキッカケってなんだったんですか?。
最初は海外の方からの「辛い味噌が欲しい」というリクエストが多数あったことですね。
それに、夏は味噌の需要が減るんですよ。暑いと味噌汁とか控えちゃうんでしょうね。味噌は熱中症対策にもオススメなんですけどね(^^;;)。なので、常々、夏にも味噌を使って欲しい。夏に好んで使ってもらえる味噌を作りたいと思い始めてたところにリクエストがきたので、辛くて美味しい味噌なら夏にもバッチリだと思って開発し始めたんです。唐辛子のピリッとした辛さで食欲がわきますし、にんにくと味噌でスタミナや夏バテ防止にもなりますよ。
味噌は熱中症対策に良いいから夏にもバッチリですもんね。
海外の方のリクエストがキッカケということですが、相撲味噌は海外のどの辺でどのように使われてるんですか?
最初は台湾などのアジア圏で、焼肉や野菜にコチジャン風に使われてたり、ヌードルに入れたりという使い方が多かったみたいですね。
今ではイタリアやフランス、スイスなどのヨーロッパ圏にも人気が出てきました。有名ホテルでも使われてるんですよ。
海外の方は、日本人のように子供の頃から味噌を食べ慣れてないので、郷土や家庭の味というその人にとっての決まった味噌がまだないんですよ。なので料理に合わせて好きな味を選んだり、いろんな料理に使ったりと、味噌を使うことをとても楽しまれてますね。
ピザソースに使われてたり、チーズやマヨネーズとの相性が良いので組み合わせてみたり、発想が自由ですね。
2014年には、FOODEX JAPAN (アジア最大級の食品・飲料専門展示会)の、ご当地味噌醤油グランプリにて「味覚審査賞受賞」と「パッケージ審査賞受賞」を頂きました。
各国で食に関わってるバイヤーからの評価も高かったので嬉しかったですね。
先に海外で有名になりましたが、今では日本国内でも知られてきて、かなり使ってもらってます。全国各地のスーパーや百貨店での取り扱い店も増えましたし、個人での問い合わせや通販の申し込みも多いんですよ。
この相撲味噌をキッカケに味噌に興味をもった方も多いですね。
日本でも海外でも人気なんですね。そして、海外の方はいろんな食べ方をされてておもしろいです。ピザに相撲味噌を付けるなど、いろいろやってみたくなりました。
では、こだわってる事や製造秘話などを聞きたいと思います。
はい。この相撲味噌が出来上がるまでは大変だったんですよ。ちょっと工場で作る様子を見ながらお話しましょうか。
ベースは鶴味噌の麦味噌を使ってます。
味がまろやかな味噌や上品な味噌では、唐辛子などの材料の風味に負けて味がぼやけてしまうんです。味噌の風味をしっかり出しながら辛くて美味しい、という味にしたかったので、ベースの味噌を何にするか、味噌と唐辛子の他に入れる調味料を何にして割合はどうするかなど、何度も試行錯誤しました。
まずは味噌と唐辛子を入れます。材料は大きな羽で撹拌しながらまんべんなく混ぜながら入れていきます。
はい。 この量でだいたい400kg出来上がるんですよ。なので、材料も結構な量ですね。
味だけでなく、出来上がった時の食感や風味も考えて材料は決めました。例えば、にんにくはペーストとチップと両方入れるとか、醤油は相撲味噌用に作ってもらってるとかですね。
味付けも辛い味噌ということで、最初の頃は〇〇の味噌(タレ)というように、肉料理専用と考えてたんですけどね、出来上がってみたら、肉以外でも、なんにでも相性のあう美味しい万能味噌(タレ)になってました。
たしかに辛いだけじゃないですもんね。旨味も味噌の味も感じるし、甘辛さがほんとにちょうどいい感じですよね。
そうめんや焼きうどん、冷奴など夏の料理には相性良しですし、夏以外では鍋に入れても良さそうですね。
それにしても・・・沢山入れるから手作業で大変そうです。
だんだん、なんかスタミナがつきそうな、スパイシーな香りがしてきましたね(^-^)。
そうですね。これを作ってる日は、工場の半分くらいまで匂いがしますから、あっ 作ってるなって。すぐわかっちゃうんですよ(^-^)
このトロットロの粘度にもこだわったんです。
材料を入れて煮込んだら出来ると思ったんですけどね。ただ煮込んだだけではとろみがでなかったんですよ。この粘度をどうやって出すか・・・これもかなり開発に手こずりました。
最終的に納得できる商品になるまで、2年くらいかかってるんですよ。
それでは煮込み終わりましたので冷まします。
出来上がった相撲味噌は樽に移してゆっくり冷やすんですよ(約1日かかります)。それから容器に詰めて、ラベルを貼るんですよ。
そして、作ろうと思ってから2年。相撲味噌が出来上がるまでのこだわりってすごいです。
そういえば パッケージもおもしろいですよね。力士にされたのはどうしてですか?
海外のお客さんのリクエストで作ったという経緯もあり、まずは国内より海外向けの商品として名前やパッケージを決めていきました。
相撲は海外の方にも人気なので、力士や相撲を取り入れたら日本をイメージしやすいかと思ったんです。それに、最初は名前を「力士味噌」にしようと思ってたんですよ。それで、力士の絵にしたんです。
だけど、絵と名前を組み合せてみた時に、力士より相撲の方がわかりやすくて馴染みやすいと思ったんです。なので、力士の絵はそのままに「相撲味噌」になりました。
そして、名づけてから気づいたんですけどね。柳川市は相撲と とても縁深い土地なんですよね。
第10代の大横綱・雲龍久吉や大関琴奨菊関といった有名力士の出身地ですし、三柱神社には、朝青龍と白鵬の横綱昇進の化粧まわしや、雲龍が奉納した灯籠が奉納されているでしょ。
海外の方には、味噌→日本→柳川・鶴味噌。国内の方にも、相撲味噌→柳川・鶴味噌。という感じで、相撲味噌で柳川までイメージしてもらえてますので、良かったと思ってます。
海外の方に人気の相撲というだけでなくて、柳川らしさも出てたんですね。
そうなんです。それと、ちょっと遊んじゃってるんですよ。この力士のどこかに文字が隠れてますので、よーく見て探してみてください。
ヒントは4文字「ツ・ル・ミ・ソ」です(^-^)
文字が隠されてたんですね。おもしろいです。ぜひパッケージを見て探してほしいですね。たくさんの相撲味噌についての秘密を教えていただき ありがとうございます。
では、少し、相撲味噌や鶴味噌の、今後の展開などを教えていただこうと思います。
はい。そうですね。
相撲味噌は、この辛さが良いと人気なんですが、お子さんなど辛さが苦手な方には少し辛すぎるという声もありますので、辛さを抑えたマイルドversionを作ろうと思ってます。それと、相撲味噌をベースにした業務用ですね。すでに数店舗の飲食店などでアレンジした物を使ってもらってるので、さらに拡大しようと思ってます。
第2第3の相撲味噌を作っていきたいですね。
そして、鶴味噌としては、これまでの生みその商品を守りつつ、新商品の開発なども考えてます。全て柳川産の材料で味噌を作ってみたいですね。長く愛される味噌作りをしていきたいと思ってます。
それに、おかず味噌シリーズやねこまんま、フリーズドライの味噌汁など、気軽に味噌を食べられる商品がうちにはたくさんありますので、国内外の方たちに味噌に興味を持ってもらって、味噌の良さを広めていきたいです。
味噌は発酵食品で体に良いので、どんどん活用して欲しいですね。
小学校などの社会科見学で来てもらってますが、個人の工場見学も受け付けてます。予約制ですが気軽に来てください。
そして、そうですね。いつかこの建物の一部を利用して何かやれたらいいなと思ってます。
はい。これから楽しみにしてます。そして、もっともっと味噌を使っていきたいと思います(^^)
いろんなお話をありがとうございました。
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鶴味噌醸造㈱
柳川市三橋町江曲216 地図
HP: http://tsurumiso.jp/
柳川ブランド認定品 相撲味噌(150g)|価格 324円(税込)
おいでメッセ柳川、鶴味噌(工場・web)などで発売中