こんにちは。特派員のツツミです。
柳川では、春を迎える前に掘割清掃が行われました。
サクラと裏腹にやや地味なネタですが、
その様子を少しご紹介します。
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掘割清掃をする市職員、土木関係者、市民の皆さん
掘割の清掃は
「水落とし」「水落ち」「掘り干し」などと呼ばれ
旧城下町を囲む掘割(=城堀)を中心に
藩政時代から行われた伝統行事です。
掘割には
矢部川水系二ツ川の水が流れ込んでいます。
これを上流にあたる掘割の入口の水門でせき止め
下流の水門から有明海に排出。
水が少なくなったところに
市民や市職員が掘割に入り、
水藻やゴミを拾い上げて綺麗にします。
昔は稲刈りの終わる秋に行われたようですが、
今は、海苔乾燥時に水を使う海苔養殖の関係から
毎年2月に行われています。
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さまざまな道具を用いて水藻などを取り除く
池の水を抜くテレビ番組がありますが、
柳川でも似たようなことをやっているんですね。
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腰近くまで浸かって清掃
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ほとんど手作業
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カゴに集めた水藻を引き上げ、トラックへ
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橋の上からクレーンで水藻を引き上げる
違うところは、
有明海の干満の差を利用するところでしょうか。
干拓でできた柳川のまちは土地が低い。
有明海の満潮時に下流の水門を開ければ
逆に水門から掘割に水が入ってきます。
そのため干潮時に水門から排出し、
満潮時には水門を閉める。
これを繰り返して水を掘割から排出します。
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いつもはこうして通る掘割の入口。
清掃時は板で水をせき止める
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下流にある水門。水は左の道路下の川へと排出される
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掘割の水は水門から排出されて川から有明海に注ぐ
掘割の仕組みは、よくできています。
例えば、矢部川上流の地域に大雨が降れば、
早めに掘割の水を排出して
柳川のまちが浸水しないようにするのです。
しかも、その掘割の水の調節を
下流の2つの水門(二丁井樋)で行っているんです。
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2つの水門(わかりにくいが、右奥にもう1つある)
1つの水門は掘割の水量を一定に保つため
常時、開けっ放し。
溢れた分だけが流れ出ていく、
漏斗(ろうと)のようになっています。
もう1つの水門は閉まっていて
大雨などの緊急時に人の手を使って開けます。
シンプルな造りながら、よくできていますよね。
それに天気予報、上流地域の状況、潮の満ち引きなど
さまざまな条件を考え、関係機関との連携も必要。
掘割の機能は奥深いです。
現在、掘割清掃は、城堀だけでなく
周辺の掘割でも行われています。
市水路課によれば、
約2100人もの市民、市職員、土木関係者が参加し、
水藻などゴミの量は約10トンに上るそうです。
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水藻はクレーンで運んだり
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トラックで運んだり
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除去された水藻を拾い集める職員の皆さん
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最後は道路も綺麗に清掃
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女性陣は道路の清掃や片付けを担当
清掃に参加した人は
掘割にゴミを捨てないのだそうです。
ただ、近年は高齢の参加者が多く、
作業中のケガが心配だと言います。
掘割清掃後、
矢部川やその上流の日向神ダムに水があれば
2日前後で掘割に水が溜まるのだとか。
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綺麗になりました!
こうして多くの方々の協力のもと
掘割は綺麗な姿となって
柳川を訪れる方々をお迎えしています。
※写真は今年のものと異なります
※参考;柳川市ホームぺージ(掘割・水落ち)
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市職員や市民の皆さん、お疲れさまでした!
ちなみに着ている胴長靴、地元ではダバと呼びます
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春らんまんの柳川へおいでて はいよ!