こんにちは。特派員のツツミです。
今日は、子どもの居場所を紹介します。
近年、地域で子どもを見ようという動きがあり、“子ども食堂”や“子どもの居場所”という言葉を聞くようになりました。ご飯を提供するところ、学習支援をするところ、遊びの場など、その運営の仕方はさまざまです。
柳川駅から徒歩５分ほどの場所にある「ハンドメイド雑貨工房Ducca(デュッカ)＆Sweets」。ここはその名の通り、手作りの小物や駄菓子を販売するお店です。
ハンドメイド雑貨工房Ducca&Sweets 店舗上部には「のだや」の看板が上がっています
入口だけ見れば、雑貨屋さんという感じ。しかし、中に入れば、子どもたちがいっぱい。
雑貨作りに精を出す子もいれば、宿題をする子、スマホで遊ぶ子、ギターを爪弾く子もいて、自分のやりたいことをしています。
Duccaの責任者、前田香織さんは筑後地区で特別支援教育コーディネーターとして働いていましたが、祖母の介護や母の病気をきっかけに生き方を見つめ直して退職。
祖母が切り盛りしていた洋品店の一角で、趣味で作っていた樹脂粘土の雑貨の販売を始めると同時に子どもの居場所としても開放しました。
それは、教師だった母の「学童保育をしたい」という希望でもあったのです。
Duccaにはこんな意味が…
車の多い大通りを、お菓子を買いに走る子どもが増えたため、安全面から駄菓子を置くようにし、洋品店を辞めた祖母に代わってスペースを広げて今のスタイルになりました。
店内には、樹脂粘土で作ったマグネットやアクセサリー、手描きの絵がプリントされたバッグやボトル、食品サンプルのような“おままごと”セットなどがズラリ。
樹脂粘土でつくった食品雑貨の数々。本物そっくり！
どれもクオリティが高く、特に食品を模した作品は手作りとは思えない出来映えです。
作っているのは、前田さんや子どもたち。発達障がいの子どももいます。
“子ども”や “障がい”の言葉は使わず、“ハンドメイド雑貨工房”という看板を掲げているのは「作品に注目して欲しい」という思いからです。
KENさんの得意の絵が雑貨になりました！ 人気作品です
「うちには子ども店長がいるんです」と前田さん。
12歳の子ども店長Eくんは経営面に長け、駄菓子の陳列や在庫管理、イベント企画が上手。
ある幼稚園のマルシェに出店する際に「園児はおままごとが好き」という前田さんと、「お母さんたちがヘアアクセサリーを買うはず」というEくん。
まさにファストフードそのまま！のままごとセットでしたが…
前田さんはおままごとセットを持っていきましたが、全く売れなかったのだとか。
「子ども店長から在庫を増やしたと小言をいわれました」と前田さんは笑い、今は子ども店長に企画や管理を任せているといいます。
子どもたちの個性を生かし、その子に合うことをしてもらうのがここの特徴でもあります。
ままごとセットはマグネットに変身。美味しそうですね！
女の子のYちゃんは手先が器用で、樹脂粘土で多くの作品を作っています。それらはアクセサリーとして販売されており、立派な作家さんです。
この日は宿題を済ませた後、おせちづくりに励んでいました。
おせちづくりは、細かな作業が続いていました
おせちは食材が多く、色や形が難しそうでした
Duccaでは、18歳以下の作品の売上は作り手に渡し、18歳以上は委託料や材料費をもらうようにしています。
Duccaの利用料は60分100円ですから、彼らは自分の売上から利用料や菓子代を払っているんですね。皆、金銭感覚も身について、しっかりしています。
また、店舗には車椅子や障がいのある大人も遊びにきます。
子どもたちは皆、障がいなど意識せず、友達のように接しています。
誰もが伸び伸びと過ごしていて、居心地良さそう。
別の部屋を覗いたら、男子児童たちがくっつきあってゲームしていました。
前田さんは、フリーランスの「発達障害児支援士」として子どもたちの発達にかんする相談（有料）に乗っています。雑貨屋ですから相談に行きやすいですね。
店内にはクリスマスや誕生日などのプレゼントにぴったりの品々が揃っています。子どもたちも、親御さんも、障がいがあってもなくても、フラリと遊びにいってみてくださいね。
柳川のお土産としても人気の「うなぎめし」。うなぎ店によって卵の配置などが違うそうです
■ハンドメイド雑貨工房Ducca＆Sweets
◯住所：柳川市三橋町下百町34
◯時間：13時～18時（10時～12時は個別相談、ハンドメイドワークショップなど）
◯料金：室内利用60分100円（個別相談1時間2,000円～）
◯定休：水曜
※参照：Facebook
※上記は2024年12月現在の情報です。
