キラッキラしたパッケージ(ΦωΦ)。これ 海苔の佃煮 なんだね。
そうそう。両開漁業協同組合(以下「両開漁協」)で作ってる海苔の佃煮「有明のり」だよ。秋芽の一番摘みの海苔を使ってるんだって。
どんなこだわりがあるんだろうね。「有明のり」の秘密を両開漁協へ聞きに行きましょう〜。
お話を聞く両開漁協の代表理事組合長の園田さん(右)と参事の笠間さん(左)です。
こんにちは。
こんにちは。 有明のり について教えて下さい。
はい。では、早速ですが工場へどうぞ。今、佃煮を作ってるところですよ。
今、佃煮の原料の海苔の原藻を水から煮ているところです。だいたい
3時間くらい煮るんですよ。佃煮になった時の食感を大事にしたいので、時間がかかりますがじっくりと煮ています。
材料の海苔は原藻なんですか?
はい。原藻で作ってるんですよ。
種付けから約1ヶ月後くらいに初めて(1回目)摘み取る「秋芽一番摘み」を材料にしています。
秋芽一番摘みの特長
☆香りや旨味がある
☆食感や口どけが良い(一番摘みの原藻は柔らかい)
☆色が良い(漆黒にちかい黒)
秋芽一番摘みの海苔の原藻って、最高級海苔になる貴重な物ですよね。
そうですね。
秋芽一番摘みの板海苔は口どけが良くて美味しい高級品の海苔なんです。しかも材料の原藻の収穫量が少ないので秋芽1番摘みの海苔は少量しかできないんですよ。それに使う原藻をこの佃煮の材料にしています。これは、漁協だから手に入るんです。市場では板海苔になってから取引されるんですよ。
両開漁協には、海苔漁師の中に若手の組合員の集まりがあり、海苔の種付けや収穫、海苔の育て方などを研究していて、漁協全体で品質の良い海苔を増やしていこうとしている意欲的な人たちなんですよ。
原藻はその若手の集まりから決まった量(少量ずつ)を納品してもらってます。
数人から少量ずつなんですね。それは貴重ですね。
材料が少ないってことは、生産数も少ないんですよね。どのくらい作られてるんですか。
はい、生産数は少ないです。この秋芽一番摘みを使ったブランド認定品の「有明のり」は、毎年2万本前後しか作れないんです。
秋芽一番摘みなので11月末には原藻を集め終わって佃煮を作り始めます。そして、12月の販売開始から12月末までの1ヶ月の間には ほぼ完売してしまうので、もっと多く製造してほしいとのリクエストもいただくんですが、その年の原藻の取れ高にも影響されてしまいますので沢山は作れないんですよ。
そうなんですね。天候や海の状態に影響されてしまう材料ですもんね。本当に秋芽一番摘みで作るって貴重な佃煮ですね。
はい。今の釜は釜の中に羽根が付いているので、昔とは違って手でずーっと混ぜてなくていいんですよ。ですが、煮込んでる間に数回、目視で異変がないか確認をしています。
そろそろ煮込み終わったようですね。次は調味料を入れますよ。
どのような経緯で味付けが決まったのか、味付けの決めてなどもお聞きしたいと思います。
調味料の内容はちょっと企業秘密なので内緒にさせてくださいね。ですが、この味にするにはかなり時間がかかったんですよ。
最初は秋芽一番摘みの佃煮ではなく、原藻から海苔の佃煮を作ろうと昭和60年度より試作を始めました。
味付けや食感が調度良くなるように調味料の配合が決まるまで1年位かかってます。当時の女性部や組合員などで協力していろんな味付けを作っては試行錯誤したんですよ。そして、味が決まった後から賞味期限などの品質テストや検査をしました。海苔の佃煮は水分が多くなりますからね。味や品質がどのくらいで変化するのか心配だったんです。
発案から販売までに3年くらいかかりました。
この最初の「生海苔佃煮(現在は「白秋の古里 有明のり」という名称)」という商品の成功がありましたので、さらに質の良い材料である 秋芽一番摘みの原藻だけを使った海苔の佃煮を作ろうと、平成10年(1998年)に「有明のり」が出来上がりました。
そうそう。原藻は切らずに摘み取った時の長さ(約10〜15cmくらい)のまま使ってます。
煮込むと柔らかくなって自然と切れていくので短くなっていくんですが、板海苔をほぐして作る佃煮とは違う原藻ならではの食感を楽しんでもらえると思います。
なるほど。秋芽一番摘みの佃煮が出来上がるまでには、かなりの試行錯誤や苦労をされて大変だったんですね。
では、調味料を入れたら水分量や佃煮の柔らかさを調整します。その日の湿度や気温などでちょっとバランスが変わるんですよ。蓋を締めたら真空になって煮込み終わるまで開けられませんので、この調整は重要なんです。
ここからの作業が真空になるんですね。そういえば、真空釜にされたのはなにか理由があったんですか?
はい。真空にすることで時間が短縮されます。昔の釜では混ぜたり蒸発分の水分量の調整などと煮込む間にも手間がかかりましたが、この真空釜にしたことでそれがなくなり作業効率が上がりましたよ。
平成23年度に工場を新しくする時に釜も新しくすることにしたんです。真空釜の工場へも行って見学したんですよ。「時間短縮・作業効率・真空にしたことによる味の良さ」などの利点がありましたので、真空釜にしたんです。
なるほど。新工場になった際に変えられたんですねぇ。
そういえばあちらは何をする機械ですか?
はい。あの場所で原藻を用意しています。原藻を解凍してから異物除去をするんです。1番右の機械はカメラが付いているんですよ。その後は目視でも確認します。異物を取り除く作業はシッカリと行ってます。異物除去をした後は水気を取り除いてから釜に移動するんですよ。
なるほど。原藻の下準備から煮込むまでも手間がかかってますね。
煮込み終わったらどのような作業になるんですか。
煮込み終わったら熱いうちに瓶詰めして、金属探知機に通します。キャップをしたら殺菌する機械に入れます。ここまでの作業は熱いうちに、冷める前にやり終わるんですよ。後は自然に冷えるまで1日置いてラベルを貼って出来上がりです。
出来上がるまで2日かかるんですねぇ。一つ一つの作業を丁寧にされてるし、手間暇かかって出来てますね。「有明のり」のこと、詳しく教えていただきありがとうございました。
それでは、少し他の佃煮の事や今後の展望などもお聞きしたいと思います。
はい。秋芽一番摘みの「有明のり(金色のパッケージ)」の他に作っているのが、「白秋の古里 有明のり(白いパッケージ)」です。これには明太子入りや椎茸入りという味付けの物もあるんですよ。それも好評ですね。
そして、福岡県(福岡市・北九州市以外)の学校給食で出されている海苔の佃煮も作っています。
この佃煮用の原藻は、組合員全員から決まった量を納品してもらっていて、年間に使用する量を冷凍保存してあります。佃煮を作る毎に解凍するんですよ。
おいしい海苔の佃煮を食べてもらうことによって、海苔にも興味を持ってもらい、普段から海苔をドンドン食べて欲しいと思って作ってますので、佃煮の味には自信がありますよ。
海苔の佃煮はもちろん味付きの物も美味しそうですね。
小袋タイプは1膳用の量ですし、お弁当などに便利に使えそうですね。
最近では小袋が便利だということで買われる方が増えましたよ。瓶と小袋、用途によってどちらも使って欲しいですね。
この給食用のパッケージも、かわいいでしょ(^^) 柳川市で海苔が採れて作られてるって事をもっと知って欲しいと思って、柳川の川下りの船頭さんをモチーフにしたんですよ。
それと、只今HACCPの勉強もしています。
食品を作っている工場ですし、さらに給食用の佃煮も作ってますからね。HACCPを導入することによって皆さんにさらに安心していただけると思います。
HACCP:Hazard Analysis and Critical Control Point
国際規格の衛生管理の方法。問題のある製品の出荷を未然に防ぐことがより効果的に可能になり、原因の追及も容易にすることが可能となる。
いろんなお話ありがとうございました。海苔の佃煮、いろんな方に食べてほしい逸品ですね(^^)
ありがとうございました。
秋芽一番摘みの佃煮「有明のり」は期間限定・数量限定なのニャ。見つけたらラッキーなのニャー。次回買うのニャー。
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両開漁業協同組合
柳川市大浜町318-1(地図)
電話 0944-72-7141
FAX 0944‐72-1567
柳川ブランド認定品 有明のり(160g)| 販売価格 : 720円(税込)
両開漁協・(株)丸川海苔・柳川市内にて販売:数量限定・期間限定(12月〜3月)販売のため売り切れ次第終了
株式会社 丸川海苔
柳川市本町43(地図)
電話 0944-73-3648
web shop http://marukawa-nori.com/