認定品を探る旅

福岡有明海漁業協同組合連合会

投稿日:2019年12月25日 更新日:

平成23年に柳川ブランド品に認定された「福岡のり」。今回は、海苔師さんと漁連さんに取材を行いました。

ハルカ 竹井さん、海苔ってどうやって作るのですか?

竹 井 あれ、知らないんですか?私は友人にも近所にも作っている人がいますよ。

ハルカ 柳川は、海苔養殖業が盛んな場所なのですね〜。取材の前に海苔養殖について少しお勉強。
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柳川市と有明海の位置関係です。有明海の特徴を生かした方法で、海苔の養殖を行っています。年間13億枚、130億円の生産額を誇る、柳川の代表的な産業です。

海苔養殖スケジュール
①牡蠣の殻に、海苔の種をつけて培養する(4月〜9月)
②9月の竹(支柱)立てに向けて道具などを準備(8月〜9月)

③ 竹立て。有明海に支柱を立てて網を張る(9月〜10月) 柳川だけで、135万本、約20万枚の網が一斉に張られます。 この支柱は以前竹製だったため、柳川では支柱を立てる作業を竹立て、支柱を抜く作業を竹揚げと呼びます。


海苔網の張り込み作業


有明海の大きな干満の差を利用した、支柱式という方法で育てます。

④ 海苔の摘採(てきさい)(11月)
※摘採:海苔を摘みとること。


「てんま船」と呼ばれる箱船に海苔の摘採機を積み、伸びた部分の海苔をカットしていきます。


摘採した海苔。

⑤ 板海苔へ

⑥入札

今回は⑤板海苔にするところと、⑥入札について取材してきました。

今回は、海苔師の田中さんと、漁連(福岡有明海漁業協同組合連合会)の西田さん2人にお話をお聞きします。

竹井 まずは、漁業団地に行きますよ。
ハルカ 団地? 皆で住んでるの?
竹井 …。
数軒の漁家が共同で1つの大型加工場を経営しています。 その加工場の集まりを漁業団地と呼んでいるのですよ。 今日はその中のひとつ、「心和水産」の田中さんにお話を伺います。
ハルカ はい。
竹井・ハルカ こんにちは〜!
田中さん こんにちは。
ハルカ 今日はよろしくお願いします。 まずは、田中さんのお話をお聞かせください。 田中さんは、いつからこの仕事に関わられているの ですか?
田中さん 私は、高校を卒業してから、この仕事についています。25年くらいかな。海苔養殖業は、じぃちゃんの代から続いています。
ハルカ 25年ー!この工場は出来てどれくらいになるのですか?
田中さん 7年目です。5軒が集まって共同経営しています。
ハルカ シェア事務所みたい。
何で共同経営をしているんですか?
田中さん 海苔養殖には、船や加工設備、燃料など多くの設備投資や経費が必要です。大型機械を使って、共同で作業する事で、生産コストを下げることもできるし、品質も安定します。さらに、皆で丁寧に育てているので、海苔の病気予防にもつながり、美味しい海苔を安心して提供することができます。あとは…個人でやっていた時は、家族総出で作業をして、親にもずいぶん無理をしてもらいましたからね。みんなで作業を分担しているので、年をとった親に無理をしてもらわなくてもいいようになりましたね。
ハルカ 田中さんの考えがしみる。。。
田中さん そうだ、佐賀と福岡の若手で集まって、テイスティング大会を開いているんですよ。(テイスティング大会では、見た目の色・つや、味、総合で競います。)味部門では福岡の海苔が賞をもらうことが圧倒的に多いです。柳川の海苔は職人の手によって1枚1枚が味のある仕上りになっていて、美味しさには絶対の自信があります!
ハルカ 海苔師という海苔を育てるのプロの中での賞なので、自信につながりますね。美味しいんだろうな。
田中さん 今作業しているのは、11月に初めて水揚げされた「初摘み」の海苔加工です。それでは、加工場を案内しますね。どうぞ。

① 海で摘採した海苔を一旦溜めておくところです

ハルカ ん? どうやってここまで運ぶのですか?
田中さん すぐ近くに漁港があります。そこに船をつけて、船底のタンクから海苔を吸い上げ、地面の中のパイプを伝って、加工場まで運ばれます。
ハルカ へー! どれくらい入るのですか?
田中さん 1槽25t。約5万枚分ですね。これが6槽あります。 最盛期の1月2月は満杯。1週間機械がまわりっぱなしの時もありますよ。
ハルカ それは忙しか…。すごい量やん。

② 異物除去×2回
最初は、1mmの隙間を通して残った異物を取ります。次は0.1mm。異物は鳥の羽、藁、えびや小さなカニが多いですね

③ 口溶けがいいように、海苔をミンチにします。  採れたての海苔は、長さが20cm〜30cmもあるのですよ。

④ 海苔と水を混ぜ合わせ、濃度を調整して、均一の厚さで板状に成形します。

⑤ 3時間乾燥させます。

⑥ 緑のコンベアに乗った、海苔が進んで行きます。途中、チェックの機械を通り、乾きの悪いものがハネられていきます。
⑦ 金属検査・異物検査の機械に通します。

⑧穴が空いていたり、藁が残っていたらハネます。

ハルカ 0.1mmの異物取りをしてもまだ残るのですね。そしてそれを見つけることができるのですね〜。


異物検査機


異物検査機の画面を拡大したもの

写真の破線部分は、板海苔を広げた状態を表しています。ここに穴や異物の入っている場所が表示されます。
⑨合格した海苔は10枚で1帖(じょう)にされ、二つ折りになって出てきます。さらに10帖で1束となり帯を巻きます。(1帖は縦21cm×横19cmと全国で統一されています。)

⑩ 両端を削り、縁を整えます。

竹井 海苔が削られると粉が出ます。それを粉海苔と呼んでいます。
ハルカ 粉海苔もまたおいしいんですよね〜!
竹井 柳川ではフライパンで炒って、ご飯にかけたり、ほうれん草の海苔和えにして食べますね。一般にはほとんど流通してない、産地ならではの海苔です。

⑪ 箱詰めして、各漁協で等級をつけて入札へ。

田中さん 今板海苔になった初摘みは「一番摘み」とも呼ばれ、口溶けがいいですね。風味が強いのも特徴です。
ハルカ 田中さんが海苔に関わるとき、こだわっていることや気にかけていらっしゃることを聞かせていただけませんか?
田中さん やっぱ…人に負けん海苔を作ること! (人に負けない) 負けず嫌いだから、人より美味くてよか海苔を作らやん。(人より良い海苔を作りたい)そして、その1番おいしか海苔を皆に食べて欲しか。色んな海苔があるけど、やっぱ、美味しか海苔ばね。(美味しい海苔をね
ハルカ … 田中さんの作った海苔を食べたいです。
田中さんが思う、一番美味しい海苔の食べ方って何ですか?
田中さん おれの〜? 変わった食べ方やけんなぁ〜。
海苔を焼く→醤油をつける→カレーとご飯を巻いて食べる。
ポイントは、カレーのルーとご飯を良く混ぜておくこと。焼き海苔にわさび醤油をつけて、刺身を巻く。これもうまいっ!
ハルカ お腹すいてきました。海苔師オススメの海苔の楽しみ方、今度やってみます!今日はありがとうございました。
竹井 次は漁連の西田さんにお話を伺います。
ハルカ はい。
竹井・アルカ こんにちは〜!
西田さん こんにちは。どうぞ。
ハルカ それではいきます。 漁連と海苔師さんの関係について教えてください。
西田さん 海苔業界はこんな感じです。

左から…漁師さんが組合員となって設立したものが、漁協(漁業協同組合)、各漁協が会員となって設立したものが漁連です。現在約2,300名の組合員さんがいらっしゃいます。その中の約7割。1,610名が柳川市内の組合員ということになります。

ハルカ そうか。たくさんの海苔の中で、「福岡のり」の銘柄をつけることができる海苔はどんな海苔ですか?
西田さん 採れたもの全てが「福岡のり」になるわけではありません。海苔師が生産した板海苔は各漁協で検査員による検査を行います。その後様々な項目により335もの等級に分けられます。福岡のりは、等級が付けられた後「一番摘み」の中から選びます。
ハルカ 「一番摘み」の中から、どう選ぶのですか?
西田さん 食べた時の歯切れのよさ、柔らかさ、やっぱり、食べてみて美味しいと思う海苔ですね。あとは、できるだけ多くのお客さんの手が届く金額におさまるよう。
ハルカ 程よい値段でいつも美味しい海苔を食べられるって幸せですね〜。聞けば聞くほど食べたくなってきました。
西田さん ははは、どうぞ。
ハルカ ぱりぱりしてる。
竹井 うまいっ。

有明海には多くの河川が流れ込み、淡水と海水が混じることにより、栄養分が豊富。さらに、干満の差が6mあり干潮時に海苔が水上に現れる「干出(かんしゅつ)」という方法で育てられています。海苔も植物ですので、海水中の栄養分とお日様の恵みを受けて、美味しくなるのです。

ハルカ 西田さんのこれからの目標は何ですか?
西田さん 実家も海苔の養殖をしているので、柳川の地場産業として守っていきたいですね。それから、柳川が海苔の産地だとあまり知られていないので、そのことを伝えたい。お土産として、皆さんの手元においしい海苔を届けたいと思っています。
ハルカ 西田さんとこも海苔師!柳川に根付いている産業なのですね。ありがとうございました。

おまけ。入札の風景。(平成25年11月28日)年間10回の入札が行われます。この日は初入札が行われ、1億1269万枚、14億3087万円がこの日だけで取引され、全国へ出荷されていきました。

[スローガン]
一.福岡のりは「味自慢」元気の素を提供致します。
一.異物混入0へ「安心」な海苔を提供致します。
一.食品意識の徹底「安全」海苔を提供致します。


数秒でほどよい焼き具合に仕上げてくれる、海苔焼き機!商社のバイヤーさんは、この機械で海苔を焼き、食味を確かめてから入札します。


目で見て味わって金額を決めていきます。


1ban摘み新海苔


200 円(半切5 枚入)

(平成28年9月に名称・パッケージを変更しています)
福岡のり→福岡有明のり