外はサクッと、中はしっとり、そして、きなこと黒砂糖の甘さが口の中に広がっていく、懐かしいような素朴で美味しいお菓子なんですよ(^^)。
お茶にも珈琲にも、牛乳でもバッチリ。そしてコレ、かわいいでしょ。どうやってできてると思う???
こんにちは。柳川きなこばんも~について教えてくださいニャ(ΦωΦ)
柳川きなこばんも~のお話を聞かせてくれる、坂田さんです。
柳川きなこばんも~って、カワイイお花の形をしてますね。 どうやって作ってるんですか?
はい。もともとは和菓子(落雁)を作るのに使ってた物で、創業(大正3年)以来の物がほとんどなんですよ、100年以上ずーっと大切に使ってきました。
梅は4つのうちの左の大きいのとその横の木型が創業以来の物です。最近、柳川きなこばんも~を作る為に2個(写真真ん中とその右) 新しく増やしたんです。
創業当時からの木型でも作られてたということは、柳川きなこばんも~は、昔からあるお菓子なんですか?
いえ、柳川きなこばんも~は、第2回目のうまかもんつくりぐっちょの時に作ったお菓子です。
こういう木型に材料を入れて作るお菓子を「打物(うちもの)」と言いまして、昔から和菓子の製法としてあるんです。寒梅粉(かんばいこ)で作る干菓子(ひがし)や落雁とかですね。
それと、きなこ落雁という全国的に昔からあるお菓子もあるんですよ。きなこを混ぜてある落雁ですね。
そういうのからアレンジを考えて、うまかもんつくりぐっちょのお題「大豆=きなこ」で作ったのが 「柳川きなこばんも~」 なんです。
そうなんですね。昔からあるお菓子だと思ってました。うまかもんつくりぐっちょ がキッカケだったんですね。
そうなんですよ。大豆がお題なので、大豆をお菓子にしてみようかな?とも思いましたが、きなこは大豆から出来てますからね。きなこを使ったお菓子にしよう。それじゃぁ打物にしてみようかね。って感じでひらめきました。
それから材料の配合を試行錯誤して 、思いついてから4~5日でしたかね。結構、あっという間に出来上がったんですよ。
そうだったんですか。ひらめきや、あっという間、と言われてますけど、それって、長年の経験や和菓子の知識が豊富だからできるんでしょうね。
では、作り方について、こだわりや、技などを教えてください。
きれいな花の形になってますよね。欠けないように木型のスミズミまできなこを入れるには、なにかコツがあるんですか? ギュゥって力を入れてるとか?
いえいえ。力で押しこむんじゃないんです。力でギュッギュッと入れてたら逆に形が崩れてしまいます。
粉が型にきちっと入っていくのは、手の感覚でわかるんですよ。
感覚なんですねぇ。長年の経験や職人ならではの感覚があるんでしょうね。職人さんの手ってスゴイですね。
そういえば、うまかもんつくりぐっちょの時はこれより大きい型で作ってましたけど、一口で食べられなくてボロボロこぼれるって聞いたので、今では一口サイズにして数量を3個に増やしたんですよ。
最初からこのサイズだったと思ってる人もいそうですね。すっかり馴染んでましたけど、大きさが違ってるんですね。うまかもんつくりぐっちょの時から進化してたんですね。
これから、表面のサクッとした風味を出すのにオーブン(高温)でちょっと焼きますよ。ほんとに短時間。焼くというより表面を乾燥させるのが目的ですね。
これで表面がサクッとして中はしっとりした食感になるんです。型くずれもしづらくなるんですよ。
なるほど、乾燥させてるから、表面のサクッとした食感がうまれるんですね。
それでは、材料についてのこだわりなどを聞かせてください。
大豆はもちろん柳川産の「フクユタカ」 です。市内の粉屋で焙煎・製粉してもらっています。
黒砂糖にされたのはどうしてですか?
実はうちではヨーグルトにきなこと黒砂糖を入れるのが定番なんですよ。 なので、砂糖を何にするか悩む事もなく、きなこばんも~には黒砂糖をあわせてました。
黒砂糖の甘さってきなことあわさると美味しいでしょ。それに、黒砂糖のミネラル分の豊富さや味のコク・濃厚さも魅力ですよね。
材料は、ほぼ きなこと黒砂糖ですが、材料をまとめるのに寒梅粉と水飴と砂糖を入れています。
きなこ落雁はきなこに落雁粉と上白糖を使いますが、同じではおもしろくないですからね。それに、きなこばんも~は、きなこをたくさん使ってるので、寒梅粉の方があってるんですよ。(^^)
きなこの風味を出しつつ、しっとりとした食感になるように、材料の割合をいろいろ試作しました。柔らかい口どけでも粉がボロボロと崩れないように、ギリギリの分量で仕上げてるんですよ。
なるほど、きなこ落雁ときなこばんも〜では食感が違いますもんね。そして、材料や分量などは絶妙な食感を生み出すように作られてたんですね。
柳川きなこばんも~は、第26回全国菓子大博覧会(4年に1度開かれる・和菓子のオリンピックとも言われている)で技術優秀賞を受賞されてますよね。
柳川きなこばんも〜は、きなこを使ったお菓子で、無添加ということもあって、小さなお子さんのいるご家庭でもよく買っていかれてます。市外からもいらっしゃるんですよ。最近では、お土産にされたり、県外のお友達やご家族などに贈る方も増えましたね。
柳川産の大豆や素材にこだわって、一つ一つ手作りしていますので、幅広い方々に喜んでもらってるのが、嬉しいです。素材の味や食感など、柳川きなこばんも~ の美味しさを楽しんでいただけたらと思ってます。
「ばんも~」とは柳川の方言で「~ですよ」という意味ニャ(ΦωΦ)。
「きなこばんも~=きなこですよ~」ニャ(ΦωΦ)
柳川きなこばんも~について、たくさんのお話ありがとうございました。
この小さいお菓子の中に、素材へのこだわりや、職人さんの技がギューッとつまってました。
口に入れるときなこの素朴でおいしい味がふわっと広がって、なんだか懐かしくて癒されるお菓子ですね。これからもたくさんの方に楽しんでもらって、柳川の味になってほしいと思います。(^ー^)。
柳川きなこばんも~は、梅の花以外では作らないんですか???
そういえば、お茶会の茶菓子にも好評でよく使ってもらってるんすが、他の季節でもお茶菓子にしたいので季節毎の花にならないかと聞かれた事がありましたねぇ。
そうそう。息子が1度、鯛の型で作ってましたよ。 あれはお正月に数量限定で、おめでタイばんも~だったかな? もしかすると、そういう事もまたあるかもしれませんね(^-^)
そうなんですね。柳川きなこばんも〜は梅だけで、鯛は名前が違ってたんですね。今後、なにかおもしろい展開があることを期待しています。
では、坂田屋の事について少しお聞きしたいと思います。坂田屋沖端店には息子さんがいらっしゃるんですよね。
はい。沖端の方は期間限定で始めたんですが、ご縁もあって続けることにしました。
柳川きなこばんも~と米せんぺいは両方の店で販売してますが、沖端店の商品はうち(上町)の坂田屋とは違う物を置いてます。
うち(上町)の方では、地元の方に親しまれてる昔からの商品や、ご進物用、お祝い用の和菓子などまで幅広く作ってます。
そして、沖端の方は、息子のこだわりの詰まった和菓子を置いてます。それと、沖端に観光に来られた方がお土産にしやすいお菓子も用意してますね。
最近、かりんとうや、素材にこだわった羊羹(^^)も新発売しましたので沖端店に行かれたさいはぜひご覧下さい。
はい。昔ながらの美味しい和菓子と新しいお菓子、両方のお店でそれぞれ楽しめるって嬉しいです。
沖端店の羊羹、とっても気になります。今度行ってみますね。
いろんなお話ありがとうございました。
____________________________
坂田屋
柳川市上町30 (地図)
沖端店:柳川市沖端町23 (地図)