柳川市は「うなぎ料理」が有名なまちなんだよ。「うなぎのせいろ蒸し」、「白焼き」、「うなぎを使ったおにぎり」とかね。
市内には、20数店舗のうなぎ料理屋さんがあるんだよ。
そしてね、この「うなぎのかば焼き」は、柳川市のふるさと納税
(ふるさと納税ポータルサイト_外部リンク)のお礼の中でも大人気商品なんだよ。
鰻には栄養がたっぷり
たくさん食べて元気一杯になったところで、
今回は第4回ブランド認定品「うなぎのかば焼き」の (株)うなぎの江口商店 へ 美味しい鰻の秘密を聞きに行こう〜。
教えてもらうのは「(株)うなぎの江口商店」の代表取締役社長の江口良二さん。
江口さんは、うなぎに関わって40年。鰻にも焼き方にもこだわる職人さんです。
こんにちは~。早速、「うなぎのかば焼き」について教えて下さい。
鰻について教えて下さい。
「アンギラ・ジャポニカ(Anguilla japonica)=ニホンウナギ」にこだわる理由は?
鰻は未知の部分がまだまだ多い生物なんですよ。
川で育って冬頃、産卵の為に海へ出ます。そしてマリアナ諸島やフィリピン諸島の海域あたりで卵を産みます。そこで生まれた稚魚(シラス)が大きくなりながらまた川へ戻ってくるんです。そして大きく成長するんですよ。
その帰ってきた稚魚を捕まえて、ある程度の大きさまで養殖した鰻が「養殖うなぎ」なんです。
ウナギ科(Anguillidae) ウナギ属(Anguilla) 中で、現在19種類の鰻が世界中で発見されていて、発見された生息地などの名前で呼ばれています。
例えば、オーストラリアに生息している種類だと「Anguilla australis australis (アンギラ・オーストラリス)」、アメリカだと「Anguilla rostrata(アンギラ・ロストラータ)」、ヨーロッパは「Anguilla anguilla(アンギラ・アンギラ)」、インドネシアだと「Anguilla bicolor bicolor(アンギラ・ビカラー・ビカラー)」。
こういうふうに19種類に分けられています。
そして、この19種の中の10種が日本に輸入されています。
うちでは、日本に元来から生息している「アンギラ・ジャポニカ(Anguilla japonica)=ニホンウナギ」種のみ使用します。そして、「国産うなぎ(国内で養殖されている鰻)」のみ使います。
味はもちろん、身のしまり、肉質、香り、どれをとっても、1番だと思っています。
「アンギラ・ジャポニカ」は、本当に美味しいんですよ。
焼いた後の焼き色も綺麗なんです。
そうです。
日本の養殖池で養殖されている鰻を使います。
池へ見学に行って、どんな鰻を作っているかも見ますが、重視しているのは養殖してる人の人柄です。
うちは産地問屋から仕入れる時に「養殖池の指定」をします。自分の信用している養殖池の鰻を指定して仕入れてるんです。
鰻の仕入れは「養殖している生産者」→「産地問屋」→「消費問屋(江口商店)」の流れになってます。
江口さんはこだわって自分で指定した池の鰻を仕入れています。
昔の経験ですが、見学に行った時に良い鰻を見せられて、納品の時にアレッ?っていう鰻がきた事がありました。天候によってそういう時もたまにはあるよな。って思っていてもね、そういうのが続いちゃうとですね・・・。
あと、鰻の餌にたくさんの成長剤を混ぜているところもあるので、そのようなうなぎは使用したくないです。
美味しくて安全な鰻を提供したいからね。鰻と鰻を作る人柄まで、よーく見て仕入れてます。
鰻は生き物だから、個体差もあるし、天候や鰻の居る環境によって違いが出ます。
同じ池の鰻でも差が出る場合があります。
でもね、人柄の良いね誠実な人が作っている鰻は、ちゃ~んと見て愛情たっぷりに育ててもらってるから、だいたい安定して質の良い鰻が出来上がってくるんですよ。
この水はミネラル分がたっぷり含まれている地下水なんですよ。
温度は通年で
19℃~20℃くらいです。
仕入れた鰻は、仕入先や日付ごとに樽に分け、ここでしばらく水のみで飼育します。
流しっぱなしにして、いつも新鮮な水を与え、体内にミネラル分を吸収させます。
仕入れたばかりの鰻はどうしても餌や泥のニオイを持っていますから、そのニオイを抜き、身がしまった焼き頃の鰻になるまで熟成させます。
この水はミネラル分が本当に豊富みたいです、実験してて水のみで2年1ヵ月間も生きていた鰻がいるんですよ。2年超えは珍しいでしょ、ギネス級ですね(^^)
「うばめ樫」の備長炭を使われているそうですが、
うばめ樫って初めて聞きました。どのような備長炭なんですか?
はい。うばめ樫の備長炭の特徴は「火力が強く」普通の炭と比べてかなり高温になることです。
硬い樫の木、しかも「うばめ樫」で作られた備長炭は値段も高いんだけど、コレじゃないと美味しく焼けないですね。
通常、うなぎの焼き方は「遠火の弱火」が主流なんですが、うちは、「近火の強火」。
他の人がやらないことをしてますが、高温で短時間で焼くことで「鰻の旨味」が閉じ込められ美味しくなるんですよ。
長年鰻を焼いてきて、焼きあがった時の美味しさを重視してきた結果、この焼き方「近火の強火」にたどり着きました。
強火でいっきに火が通るので こまめにひっくり返します。それで旨味が閉じ込められるんです。
焼き上がり後は元の2/3位まで縮みますけど、表面はこんがりサクッと、中はふっくらで肉厚、しかもジューシーな食感に焼きあがります。
しかも高温で焼くことによって余分な脂が落ちますからね、うちのうなぎは何枚でも食べられますよ。
気をつけてくださいね。この炭の赤い所(高温)の温度は約1000℃です。
焼き始めたら温度が少し落ち着きますけど、それでも800℃、1番低い時でも400℃はありますよ。
うかつに火のそばに近づくと眼鏡のプラスティックフレームが溶けたり、カメラのレンズが歪んだりしますから気をつけて下さいね〜。
じゃぁ。遠目から見てます(^^;;)。
それにしても、この前で作業するのは大変ですね。
まず、この火に慣れるまで、約1ヶ月くらいかな。その間はかなり大変です。
まぁ、慣れて火の前に立てるようになっても大変なんですけどね(^^;;)
では。ちょっと作業を見てみますか。
いえ。鰻の個体によって熟成度が変わるので仕入れ日では決めてません。
身のしまりとか艶ですかね。鰻を見て触って決めるんですよ。
仮死状態にしてから捌きます。
柳川は背開きですね。 武士の時代の名残というか。昔から切腹に通じるということで腹切りはしませんね。
● では、焼いていきます
鰻の肉の厚み、大きさなど1匹1匹違うので、それに合わせて焼いていきます。
鰻と炭の距離が近く、高温で焼いてますからね、あっという間に焼けていきますよ。
ガスではなく炭なので火の強さや温度が焼いているうちに変化します。
火力の加減にも合わせて焼いていくんですよ。
鰻を箸で触った時の感触とかトングで持った時の鰻しなり方とかですね。
鰻が焼けていく時の煙の色でも判断できますよ。
ほら、こっちの焼き始めの鰻とこっちのこんがり焼けている鰻の煙の色が違っているでしょう。
よ〜く見ててね。 これも経験だよね。熟練になるとわかるようになってくるよ〜。
● 焼けたらタレに漬け込みます。
創業以来、継ぎ足し継ぎ足ししている鰻のエキスたっぷりのタレですね。
このタレの事も考慮しながら鰻を焼くんですよ。
入れ始めの頃のタレは冷たいでしょ。どんどん鰻を入れていくと鰻の温度でこのタレが温まっていき、浸透率が変わるんです。
均一に漬け込むために焼き加減も微調節するんです。
では。これから漬け込んでいた鰻を焼きます。 ここからは本当にあっという間ですよ。
漬け込んだ鰻を 更に焼くことで風味が増すんです。
鰻にタレを付けてひっくり返す作業を繰り返します。
皮目はパリッと、肉にはタレの味がしっかりしみてる「かば焼き」になるんですよ。
わざとタレを炭にこぼして煙を出し、燻製します。
燻製のようにする事で旨味を包み込めますし、燻製の香ばしい香りがプラスされ、さらに美味しくなるんですよ。
このタレがピチピチっと踊っているのが美味しく焼けてる証拠なんですよ。
これが、鰻と焼きにこだわった「うなぎのかば焼き」ニャ(ΦωΦ)
経験とこだわりがつまった職人の技が美味しさの秘密だったニャ〜(ΦωΦ)
「鰻の白焼きの味噌汁」ですね。白焼きと玉ねぎの千切りをたっぷり入れて、玉ねぎがトロトロになるまで煮ます。その状態に味噌をいれたら美味しい味噌汁ができますよ。
あと、「白焼きの素揚げ」や、かば焼きに「甘酢」や「黄唐辛子」を付けて食べても美味しいね。
白焼きもかば焼きもそのままでも美味しいんだけど、ちょっと変えて食べてみてください。おもしろい発見がありますよ。
これからも美味しくて安全な鰻を提供できるように、もっと鰻に携わっていこうと思ってます。
鰻の身を細かくほぐして、たっぷり入れて炊きこみました。鰻のエキスとタレの味もしっかり味わってもらえる「おにぎり」です。
モチモチした食感は手作りならではなんですよ。
鰻の身を、ほとんど分からないほど細かくしてから混ぜ込んでいるので、歯の弱い方から小さいお子さんまで喜んで食べてもらってます。
「うなぎのかば焼き」に「白焼き」「おにぎり」。
もうすぐ夏の土用の丑の日ニャ。栄養があるうなぎをたくさん食べようニャ (ΦωΦ)
_______________________
(株)うなぎの江口商店:http://eguchishouten.com/
柳川市東蒲池622-5(MAP)
電話 0944-74-4373
営業時間:8時〜20時
*店舗では小売もされていますが、夕方前には無くなります。15時以降にご来店予定の方は早めに予約されてからお出かけください。