認定品を巡る旅

江崎工房「柳川糸まりストラップ」~ブランド認定品を巡る旅vol,20

投稿日:2019年12月14日 更新日:

こんにちは 待鳥です。
今回のブランド認定品を巡る旅は、
「柳川糸まりストラップ」のお話をお聞きしたいと思います。

柳川糸まりストラップ
柳川ブランド認定品:柳川糸まりストラップ 

(ブランド認定品をめぐる旅とは・・・。
柳川市の数ある特産品から選ばれた
「柳川ブランド認定品」を紹介するコーナーです。)

お話をお聞きする、
江崎工房の江崎準治さんと江崎静子さんです。

江崎工房:代表 江崎準治さん 工房長 江崎静子さん
江崎工房:代表 江崎準治さん 工房長 江崎静子さん

江(準治・静子): こんにちは。

待: こんにちは。今日は柳川糸まりストラップについてお話をお聞きしたいと思います。
作られたきっかけを教えて下さい。

江(静子): はい。柳川に来られた時のお土産にと思って作りました。柳川さげもんには必ずまりが入ってますので、まりをストラップにしました。
ストラップですとお好きなところに付けられますから、お土産用にも自分用にも気軽に使っていただけたらいいなと思ったんです。

待: そうですね。小さくてかわいいまりですので、いろんな所に付けたくなりますね。
まりにはいろんな柄がありますが、この柄はなんという名前なんですか。

柳川糸まりストラップ

江(静子): はい、この柄は「二ツ花」と言って、柳川では古くから作られている柄なんですよ。
この柄は、柳川伝統のまりの柄で、柳川まりとして認定されている柄なんです。お花が二つあってかわいいですよね。

待: 柳川まりというのは、どういうまりなんですか。

江(静子): 柳川まりは「リリアン(糸)か草木染めの糸で作ります。そして、「二ツ花」「のし鶴」、この2種のどちらかの模様を刺した物なんです。

女の子の初節句の時に柳川ではさげもんを吊るします。
柳川のさげもんは、日本三大吊るし飾りの一つにもなるほど伝統的な物なんです。そのさげもんにかかせない細工のひとつがまりなんです。
さげもんやまりは、各ご家庭で代々作られてきましたが、特に決まり事などはなく自由に作られてきました。
そこで、数年前に柳川市の方から柳川市のさげもんやまりを未来へ伝承していけるように、さげもんやまりについての定義を決めたいということで、
柳川市の担当の方と保存会などの方々が多数集まって、柳川伝承さげもんと柳川まりの歴史を遡って起源などを研究し、その結果などを踏まえつつ定義が決まりました。
柳川伝承さげもん、柳川まりという柳川を名前に付けられるのは、その定義にそって作られている物だけなんですよ。
そして、柳川まりは福岡県指定特産民芸品に登録もされてます。

待: そうなんですね。柳川さげもんや柳川まりという名称は決まった作り方で作られているんですね。
それでは、柳川糸まりストラップの作り方についても教えて下さい。どれも綺麗ですね。

江(静子): はい。私と職人さんの2人で作っていますが、最近では糸まり本体の作製は職人さんにお任せして、私は出来上がりの最終確認と、ストラップなどを付ける仕上げをやっています。(ストラップなどを付ける作業は準治さんもされてます)
柳川糸まりストラップは、小さいまりですので、きっちり仕上げてくれる職人さんの技があってこそ出来上がるんですよ。
まりを作り慣れてる人でも、二ツ花は両サイドの柄を合わせなきゃいけないので誤魔化しが効かなくて大変なんですが、綺麗に作ってもらってますので安心してお任せしてます。

柳川糸まりストラップ
全て手作業で作り上げる柳川糸まりストラップ

待: そうなんですね。長年培われた職人さんの技が詰まってるからこんなに小さくても綺麗な仕上がりなんですね。
柳川糸まりストラップの色の組み合わせはどうやって決められたんですか。

柳川糸まりストラップ
色鮮やかな糸で作られた柳川糸まりストラップ。
色の組み合わせのバリエーションは10種あります。

江(静子): この色合わせは私が決めてます。最初にどんな色合いにするかイメージしてみて、実際に直径約8cm位のサイズのまりに刺して全体のバランスを見ます。それで良かったものを小さいサイズに刺し直しました。
実際刺してみないとイメージと違う場合もありますので、何パターンもの色の組み合わせを試したんですよ。
そして、いろんな方に見せてみて、反応の良かった物をさらに選抜しました。

糸は、リリアン(糸)を使ってます。リリアン(糸)は、糸の色が鮮やかでパッと目を引きますし、小さいまりの可愛らしさがより引き立って見えると思います。
最近のリリアン(糸)は色落ちしづらく改良されてますので、綺麗な色が長持ちするようになりました。でも、ちょっと糸が太いので刺し辛くなりましたけどね。

待: 色の組み合わせひとつ決めるのも大変な作業だと思いますが、それを10種作るまでにはたくさんの試作があったんですね。

江(静子): はい。いろんな色がありますので、お好きな色に出会って欲しいです。今後も色を増やしていこうと思ってますが、白や黒以外の下地の色でも作りたいと思ってますので、色合わせにはもうしばらく試行錯誤しそうです。
そして、今は試作段階ですので言えませんが、ストラップ以外にも展開していきたいと思ってます。

待: 白や黒地も綺麗ですが、他の色も楽しみです。そして、今後の展開にも期待しています。
柳川糸まりストラップについてお話しいただきありがとうございます。
それでは、お店のことなども少しお聞きしたいと思います。

江崎工房店内
店内には、たくさんの羽子板や兜が並んでます。

待: 店内にはたくさんの羽子板や兜など初節句のものが並んでいますね。

江(準治): はい。節句物の小売と、柳川さげもんや盆提灯の製造販売をしているお店なんですよ。
もともとは盆提灯をメインで取り扱ってたお店なんですが、今では節句物の取り扱いの方が増えましたね。

待: 盆提灯の製造って何をされるんですか。

江(準治): はい。当工房では「張師」による火袋張、「手描絵師」による描絵、「仕上師」による最終仕上を一貫体制で行っていることにより、お客様のニーズにあった別注生産を基本としています。
工房長は提灯職人として柳川市技能功労者「水郷柳川の匠」の表彰も受けています。さげもんシーズンが終わってから6月までは提灯に絵を描いてますよ。
そして、その時期以外は全てさげもんを作ってます。一つ一つが手づくりですので、手間も時間もかかるんですよ。

柳川まり、柳川さげもん、盆提灯、柳川糸まりストラップなど、昔ながらの伝統で、手づくりにこだわっていますし、これからも次の世代に継承していきたいと思っています。それと同時に、伝統的な物を現代のライフスタイルに合った商品にしていけたらと、さまざまな商品企画の検討もしています。

待: 手づくりで、手間暇をかけて作られてるんですね。そして、伝統を守って作り続け伝えていくことと、現代の暮らしに合わせる物作り、どちらも素敵なことだと思います。伝統を伝えることについては、何かされてることありますか。

江(静子): さげもんやまり作りのお教室を藤吉コミュニティセンターでやってます。
来られてる方それぞれのペースでやられてますし、最初は基本から始めますのでまりやさげもんを作ったことがない方でも大丈夫ですよ。
やってみたいけど悩まれてるという方は気軽に見学に来られてもいいですよ。

待: お教室があるんですね。さげもんやまりを作れる人がたくさん増えて、柳川の伝統が次の時代にも継承されるといいですね。
今日はいろんなお話をありがとうございました。

江(準治・静子): はい。ありがとうございました。

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江崎工房 外観

江崎工房
柳川市三橋町枝光372-13 (地図
☎:0944-74-2008
営業時間:9:00~18:30
定休日:不定休
https://koubou-e.com/

*柳川さげもんは全て手づくりの為、受注生産になります。
*代々ご家庭にあるさげもんを使ってのリメイクや組み直しも受けてます。
(物によっては出来ないものもありますので、ご相談されてください。)

*柳川糸まりストラップ取り扱い店
江崎工房、柳川よかもん館、お花小路(柳川藩主立花邸 御花売店)、まるごとにっぽん(東京浅草)
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お教室のお問い合わせ
江崎工房
☎:0944-74-2008
藤吉コミュニティセンターでの開催日時
月曜:13時半~16時
水曜:19時半~21時半
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柳川市からフランスの経済・財務大臣ブリュノ・ル・メール氏へ贈られた柳川さげもんや柳川まりは工房長の静子さんが作られた物です。

柳川市市報「広報やながわ2019年11月15日号」の表紙
柳川市報「広報やながわ2019年11月15日号」表紙

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柳川糸まりストラップ
柳川ブランド認定品:柳川まりストラップ   販売価格 : 990円(税込)

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*柳川さげもんについて* 

柳川のさげもんには、縁起物といわれる布小物とまりを円周に49個(1本の糸に7個付け、それを7本吊るす)
子どもの成長や幸せを願って順番に吊るされています。(縁起物の吊るし方にも決まりがあります)
そして、その円の中央から柳川まりを縦に2個吊るします。
合わせて51個にするのは、人生50年の時代、その1年でも多く生きて欲しいという願いからといわれています。

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この記事は 令和元年12月20日現在 のものです。