こんにちは、特派員の江口です。
もう10月に入り、ドンキャンキャンと鳴り響く「風流」の音がしています。五穀豊穣を祝う神社の秋祭りの練習です。また、その名が「大賑わい」に由来するといわれる三柱神社の秋季大祭「おにぎえ」の練習も始まります。この時期になると店頭には柳川産のヒシが出回ってきます。
ヒシと言えば、以前は堀に自生していて、秋になればハンギリに乗ってヒシの実を摘み取っていたものです。子供の頃のおやつには欠かせないものでした。
今では、田圃にヒシを栽培しているところが蒲池に何カ所かあります。昨年まで3件の農家がいましたが,高齢化で2件やめられ、1件新規で始められています。それで今年は2件の農家での栽培で希少価値があります。
ヒシは5月の連休に水田に苗を植え付けます。2メートル間隔に粗く植え込みます。粗く植えるほど、光合成が働いて実が大きく沢山なります。例年なら9月の15日から収穫となるそうですが、今年は天候不順のため出遅れています。
先月のヒシ畑はこんな風でした。ヒシの葉も綺麗な観葉植物みたいですね。
葉っぱが紫色に変化して枯れた頃に、ヒシの実が肥大化してきて収穫となります。
一株をひっくり返すとこんな風になっていて、一番刈りに2,3個採れます。また一週間すると次の実がなって、あわせて3回収穫することができます。
午前中に60kgのヒシの実を収穫し、午後からヒシを水で洗って箱詰めした後、JA柳川へ出荷されます。
直接売ってもらって、早速茹でました。まずヒシの実を水洗いして、たっぷりの水に塩を入れて,ヒシを40分ほど茹でます。ざるにあげて、あら熱を取り、皮が柔らかいうちに剥きました。今回は、お上品に皮を剥きましたが、普通は歯で割って噛んで実を押し出して食べます。(^_^;)
栗と食感が似ていて、ホクホクとしています。堅いのと柔らかいのとありますが、私は堅いのが好きです。
ヒシは滋養強壮や健胃に効果があり、ガンの予防にもいいとされ漢方薬にも薬膳料理にも使われています。また高級料亭でも出されています。
今では生産者も少なくなり柳川産のヒシは貴重なものになっています。水の溜まる田圃に苗を植えれば、収穫を待つまであまり手間がいりません。家庭菜園に作ってみたいという人にはお勧めしたい作物です。