27
4月-2011

第2回市民公開講座『柳川ブランドの創造』

【柳川ブランドの創造】

講師:農林水産省地域ブランドプロデューサー 田坂 逸朗 氏

s-DSC00356ブランドとは、黙っていても売れてくれる競争優位の戦略に立つ積極施策です。仕掛けていきましょうという訳です。待っていても、もうお客は来ないという世界観に立っています。待っていても、お客は来ない。だから、競争優位に立ちたい、順位の上の方が、絶対に下より注目されるよねという訳です。だからどうやって順位を上げようかということです。「あの柳川で」と言われることを目指します。

「あーあの柳川」と言ってもらうことを目指します。

ブランド力が上がれば、必ず地域は活性化します。ブランドですから、みんなが欲しくなります。

そして、しゃべる機会も増えていきます。「柳川出身です。」とすごく言いたくなってくるわけです。

「実は僕も柳川出身です。」と会話の端々に載せたくなります。

地域が活性化すればブランド力は必ず上がりますが、この逆もあります。活性化していると、みんなが注目するわけです。何であそこは元気がいいのだろう、元気がいいから興味が湧いてくる、何かあやかりたくなる、他人の芝生は青く見えます。柳川なんてつまらないなと柳川の人は思っているかもしれませんが、ちょっとだけ地域を変えると「柳川いいよな」と思っている人が一杯います。これを明文化していくために、深く見つめていきます。

ブランドは積極施策です。今までは集約的な大規模流通だったわけですから、どこかの流通ラインに大量にどこかが買い付けてくれる、こういうのを目指して、大量買い規模の経済というものを我々は作ってきました。インターネットの時代、2000年代になり、成長が鈍化していくと、規模の経済の効果が効かなくなってきました。個人消費の時代になりました。おひとり様やお取り寄せの時代になった時に、規模の経済は効きません。巨大スーパーマーケットが流行るのとはちょっと違います。わざわざ、道の駅に車で物を買い物に来るという時代になり、選択的分散流通という時代に入ってきているので、大量に卸して大量に売れていくという時代ではありません。

みんなが、その品物を指名買いしてくれないと売れる量が上がっていかないという時代です。

 

ブランドは恋愛です。選んだ結果を人に話して、褒められたいと思っています。聞いた人が「あーいいなあ、私も柳川に行きたかったなあ。柳川にしばらく行っていないなあ」と言うのか、それとも、「古いところに通い詰めて、あなたも変わってるわね、他にもっと良い所があるのでは」と言われるのか、柳川を訪れた人の重要な要素です。その時に、その人は自慢したいわけです。柳川に行ったという自分の目利きは鋭いと自慢したいわけですから、お客さんが人に伝えやすい情報に加工してあげることができれば、その人は地元に帰って、いろんな人に話しをします。大体、人は気に入った情報は100人に話すと言われています。つまり、本当に柳川を気に入って、人に話してくれる人が100人いたら、もう1万人に情報が伝わります。これが口コミ効果の凄まじい破壊力ですが、そういうことを起こすために、お客さんが人に伝えやすい情報に加工しておく必要があります。

好きには理屈がありません。従来の価値観と決別したやり方で自分への興味と柳川への興味を一致させ、お客さんと柳川はひとつだよねというのを見つけてもらう。理屈ではなく、何かいいねというものを探してくる必要があります。柳川が何かの中心になることに興味はありません。そういう、世間の大きな意見で柳川を云々というのではなく、私にとっての柳川というものが興味の対象です。だから、どういうふうに柳川のことを感じるだろうかというのを年頭に、お客さんを徹底的に分析していきます。来る前に伝わるブランド力は、地元に住んでいる柳川の人だってそれを聞いたら行きたくなる、という仕掛け・表現・要素でもあります。柳川に住んでいる人は興味を抱かないけれど、福岡市に住んでいる人だけ興味が沸くというのは不自然です。柳川の人が反応するかはとても大事なことです。部分は全体、全体は部分です。柳川の良い部分だけ見て欲しいというのは、通用しません。お客さんはすでにいろんなことを知っていますので、その商品を手に取るまでのすべて、その柳川を味わうまでのすべてに、柳川的なものが求められます。

 

柳川が活性化していくプロセスを、柳川の人が楽しんでいるというのが、最大のブランドの要因になります。

柳川ブランドがなかなか上手くいかないのでつらいと眉間にシワが寄っている人がいると、いつまでたっても活性化しません。地元の人たちが、少しずつ良いことが起きている、とわずかな成功を喜び合い、そのプロセスを楽しんでいる状況があれば、必ずブランド化は成功します。楽しんでいるというのは、人にものすごくインパクトを与えます。個人的には一点突破の特徴化は柳川の規模に合わないというふうに思っています。大規模なキャンペーンを張ると、どうしてもマーケティングやブランディングにお金が掛かります。だから大企業が得意なんですが、そういう大企業流のやり方は、柳川にはふさわしくないと思っています。小さな成功の積み重ねが柳川のブランドを作っていくという考え方の方が、とても柳川に合っていると思います。少数の送り手が、大多数をコントロールするということではなく、小さな影響力を持った人がたくさんいるという状態の方が、僕は柳川が血の通ったブランディングになっていくと思います。それはすでにあるブランド要因の再編集、人の再編集ということではないでしょうか。本当に柳川のことを愛してくれていて、柳川の素敵さを演出する、そういう力のある人はたくさんいますが、お互いがその人たちにスポットライトを当てる当て方が分からないというのが現状です。この人を編集することが出来たら、それだけでブランド力は上がります。活性化が真の成果となることより、この過程でみんなが協働作業をして楽しかったと言える状況のとき、ブランド化は成功します。ブランド化を最終目的にするのではなく、ブランド化という手段を通して、この町の人たちが、自分の人生を活性化して、地域で協働した、支援しあったことの楽しさということを、感覚として柳川に根付かせる、こっちのほうがブランド化よりも大きな成果になる可能性が高いと思っています。

 

柳川ブランドを創造するのは市民1人1人です。1人ではできないから1人でもやる。一生かけてもできないから、一生かけてもやる。言われなくてもする。言われてもしたくなければしない。人の「やりたい」をじゃましない。これはボランティアリズムで言われていることです。創造性はすべての人にあります。今ここに、40人、50人の方がいらっしゃいますが、すごい創造力があります。足りないのは、思いついた創造性を「エイヤー」とやる勇気です。こんな事をいったらバカと思われるのではないかと懸念します。勇気を持って発言すれば、案外「それそれ」と言ってくれます。それから、周囲を巻き込んでいくそそのかしの知恵です。自分ひとりで孤軍奮闘しても、なかなかいいことは起きません。でも、先鞭をつけて、仲間を募集していくという知恵が必要です。そして、結果がだめだったとき恥をかくのだなあという分別が働きます。また、分別のない、結果予測の甘い中で始めたと人から言われることが怖いという考えも働きます。でも、そのような分別はいりません。愚直さがあればいいんです。柳川が好きだからしょうがないでしょと言ってやっちゃうという、こういうものがいま足りてないのかも知れません。

LINEで送る
[`evernote` not found]

0

 likes / 0 Comments
Share this post: